朝の寝坊から始まる家族のコミカルな掛け合いが、6歳のリュウの目線でテンポよく描かれていて、肩の力を抜いて読める導入でした。父と母の表情の差や、お小遣い交渉のジェスチャーといった小さな描写が効いています。
ライオスキングとの遭遇シーンは、戦闘ではなく「託される」という落とし方が予想外で、優しい印象を残しました。「、」の数で間を表現するという独特な文体も、子供らしい思考のテンポを再現する工夫として機能していると思います。
勇者を目指す少年の物語というタイトルどおり、ここからどんな冒険に出ていくのか、温かい気持ちのまま続きが気になる始まりでした。