第48話 テルスリー伯爵家②
ダービルさんの案内のもと、屋敷の中を歩いて行く。
歩いて行くと、テルスリー伯爵の部屋に着いた。
「テルスリー様、シルバニアン王国の護衛隊長グロース他3名が面会にまいりました。」
ジグルさんが大声で話し、扉を開ける。
部屋には、ベッドに横たわる男性が口をパクパク動かしている。
「こちらがバンク・テルスリー伯爵だ。原因不明な呪いに急にかかり、寝たきりの状態になってしまったのだ。」
ベッドの近くに行くとジグルさんが、話している。
テルスリー伯爵は、四肢が麻痺して身体が動かないが、口は動かせるため、食事は行えるみたいだ。ただ話すことは、できないみたいだ。
「始めまして、シルバニアン王国護衛隊長のグロースと申します。ロゴダイン帝国より調査依頼の為に来ました。」
グロースさんが、テルスリー伯爵へ頭を下げて挨拶している。ロゴダイン帝国からの調査書類をテルスリー伯爵に見える様に広げる。
テルスリー伯爵は、書類を見ると、ジグルさんとダービルさんを睨みつけている。
そりゃ、ロゴダイン帝国からの指示に反した行動をとっているなんて、普通ありえないからね。
「今回は、調査のため屋敷を調査していきます。地下室なども調べさせて頂きます。」
「ん?地下室なんて、無いはずだ。屋敷に勤めて10年になるがわからんぞ?」
ジグルさんが不思議そうに聞いてくる。
地下室は、ないのか?
「そうですよ。地下室は見たことがありませんよ。」
グロースさんも否定する。
いやいや、僕の足元から気配がちゃんと感じているのだ。動物とは違う、人の気配が感じられる。
テルスリー伯爵も難しい顔で悩んでいる。
「そうですか。テルスリー伯爵へ贈り物です。」
グロースさんが騎士団のマークのキーホルダーを渡す。呪い無効Lv4のアクセサリーだ。
テルスリー伯爵の手に握らせて、魔力を込めるとテルスリー伯爵の身体が紫色に輝き出した。
「お前!何をした!」
ジグルさんが剣を抜きグロースさんに斬りかかる。
ギィン!と激しい音が部屋に響く。グロースさんも剣を抜き、受け止めている。
「ジグルやめろ!」
テルスリー伯爵の声が響く。
テルスリー伯爵は、ゆっくりと身体を起こしていく。
良かった。呪いは解除できたみたいだな。
「テルスリー様!身体が動くのですね!」
ジグルさんがベッドに駆け寄り、テルスリー伯爵に手を貸している。
テルスリー伯爵は、ベッドからふらふらと立ち上がった。
「ありがとうシルバニアン王国の騎士達よ。聞きたい事は沢山あるがまず妻と娘はどこに行ったんだ。」
テルスリー伯爵が言うには呪いにかかってから、見えなくなったらしい。
「奥様とお嬢様は、奥様の実家へ帰られてます。万が一敵襲があったら大変ですからね。」
ダービルさんが言う。
呪いを着けた人が襲ってくるなら、この屋敷は危険だろうな。お嬢様ってことは子供なのかな。
「なるほど。このちっちゃいのは、子供のやつか。」
全員が一斉に僕を見る。
あれ?声に出てましたか?
一般職アクセサリーショップが万能すぎるせいで、貴族のお嬢様が嫁いできた!〜勇者や賢者なんていりません。アクセサリーを一つ下さい〜 茄子の皮 @nasunokawa
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