或る研究者の手記よりへの応援コメント
企画ご参加ありがとうございます。
この世に変わらないものはないけれど。
淡々と綴られる研究者の手記が、最後に切ないですね。
何の研究をしているのかは分かりませんが、人間達をそっと見守る神の視点のような印象を抱きました。
後から姿を現した絶対的存在の神が善なのか、人間の好奇心が悪なのか、考えさせられる作品でした。
作者からの返信
鳥尾巻さま、はじめまして。お返事が遅れて申し訳ありません。
読んで下さっただけでも嬉しかったのに、わざわざ丁寧にコメントまで下さり、本当にありがとうございます!
善とも悪とも読み取れる、考えさせられるような作品を目指して書いたので、正に意図を読み取って下さって嬉しくなってしまいました。
この度は素敵な企画に参加させていただき、本当にありがとうございました! 私も今後他の作品を読みに伺う予定なのですが、どんな作品に出会えるのか楽しみです。
或る研究者の手記よりへの応援コメント
初めまして、「哲学カフェ日記」を執筆しております。海月です。
拝読いたしました。
静謐で詩的な文体のなかに、深い問いが潜んでおり、読後もなお余韻が胸に残っております。
本作は、自然と共に生きる共同体において「神」がいかにして「出現」し、やがて人々の在り方そのものを変容させていったのかを、ある研究者の視点から描いた記録であるとともに、宗教・信仰・文明の根源を問う哲学的寓話であるように感じました。
特に印象的だったのは、かつてそこにいた人々が祈りを捧げていた対象が、「全てのもの」だったという点です。この「全て」には、形も名もない自然の摂理や命の連関、人知を超えた不可視のものすべてが含まれていたのでしょう。それはスピノザ的な「汎神論(神即自然)」の世界観とも重なるように思います。そこでは「神」は人格を持たず、報いを約束することもなく、ただただ在るというだけの存在です。
ところが訪問者が持ち込んだ「神」の概念――すなわち、一者として人格を持ち、意志を持ち、祈りに応じる「超越的な神」――は、彼らの世界に新たな秩序をもたらすと同時に、それまでの「在り方」を終焉へと導いてしまいます。これは、信仰の名のもとに自然との共生が文明によって上書きされていく過程、言い換えれば「未開」とされる世界に「真理」をもたらすという名目で介入してきた文明の暴力性を想起させもします。
それでいて、語り手は決して断定しません。「良い/悪い」「進歩/喪失」を単純に語るのではなく、ただ問いを残して終える。この余白が、本作の最大の美徳であり、読者に考えることを促す力となっていると思いました。
変わってしまったものの中に、何か大切な「人間の在り方」や「信じるということ」の根源が埋もれているのかもしれません。あるいは、変わらず咲き、吹き、昇る自然の営みにこそ、本来の「神性」が宿っていたのかもしれません。
素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました。
この問いを、これからも静かに抱き続けていきたいと思います。
作者からの返信
海月さま、はじめまして。お返事がすっかり遅れてしまい、大変申し訳ありません。
そして丁寧なコメント、本当にありがとうございます。
私が「何となくこう思うなあ」くらいの気持ちで書いた作品を、学問的な視点も含めて丁寧に解説して下さっていて。まるで自著の後書きに解説を書いていただいたようで、とても嬉しくなってしまいました。
こちらこそ、この度は素敵な企画に参加させていただき、ありがとうございました!