「死にたい魔女と殺したい店主」

 前回に続いて最近の漫画です。


 この作品私が好みなのは、「コンパクトなファンタジー」というところです。タイトル通り、死ねないが死にたい魔女と、それを殺してくれる店という不思議な設定。舞台もほぼ一つの町の中です。絵柄も派手ではなくて、シンプルにストーリーで勝負している、と感じました。


 どうしてもファンタジーやSFは自由な分、舞台も広がってしまいがちだと思います。それも楽しいんですが、どうしても「新しいもの、新しいもの」で魅力を出そうとしてしまうと感じます。舞台も登場人物も限った中で物語が展開していくのは、覚悟のいることでもあると感じます。


 ただ、ジャンプ+でやっていくのは苦戦するだろうなあ、とも感じました。じっくり展開していく文学的な作品は、なかなか順位が上がりにくいですから。web小説にも通じる話ですよね……、と今回は、「好きだけどいろいろ考えさせられた」という引き出しでした。


Magiko「死にたい魔女と殺したい店主」(2023-4)集英社

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