『カメレオンの呪文』
私の人生を狂わせた本はいくつかありますが、そのうちの一つが『カメレオンの呪文』です。これは、今も続く「魔法の国ザンスシリーズ」の第一冊目です。
この本に出会ったのには明確なきっかけがありまして、大阪の高校に通うようになったのです。そこで、ジュンク堂に行き、奈良の本屋では到底出会えない本を発見することになるのです。ハヤカワFTの本も豊富にありました。
この物語、一見普通のファンタジーです。この世界ではだれもが一つ魔法を持っているのですが、主人公はその魔法が見つかっていません。魔法のない存在は国を出ていかなければなりません。果たして主人公は魔法を見つけられるのか……なんですが。どうもこのファンタジー世界、独特なのです。いろんな魔法的存在がこれでもかと出てきますし、ダジャレのような魔法もたくさん出てきます。世界そのものもなんかそれまでのファンタジーよりごった煮な感じです。それもそのはず、作者のピアズ・アンソニイはアメリカの作家で、ザンスの世界もアメリカをもとにしているんですね。ヨーロッパのファンタジーは、ヨーロッパの歴史や風俗、地理を反映しています。そういうものに慣れていたので、ザンスの世界は異質に感じるんでしょうね。
どう見ても地図はアメリカですが、ザンスはザンスです。そしてザンスの外には人間の世界が広がっています。この、「明らかに実在する国が魔法の国とされる」というのも、ヨーロッパのファンタジーにはあまりない設定の気もします。(言い切る自信はないです)作品によっては人間世界に行くこともありますが、ザンス、現代にあるようです。
ちなみにザンスシリーズで一番好きなのは『人喰い鬼の探索』です。シリーズが進むとどうしても当たりはずれはありますね。それを実感させてくれたシリーズでもあります。
ここから、ハヤカワFTの本にはまっていきます。
ピアズ・アンソニイ『カメレオンの呪文』(1985)山田順子訳、ハヤカワ文庫FT
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