でぶvsちび
「おいデブ!」
デブは辺りを見渡すが、腐ったみかんがあるだけだった。
だいたいこのちびはあたまがおかしいし、また変なことを言ってるだけだろうと思った。
「お前だよデブ」
「私かよ、殺すぞ」
怒りに我を忘れたでぶはちびを押しつぶす、でぶにだけ許された最大の攻撃力。
おしつぶされたちびはまるでミキサーにかけられたかのように、木っ端微塵になった。
そのとき鏡にデブの姿が映った。
「これが私の姿・・・なんて醜いんだ」
腐ったみかんを食べ、吐き出す。ちびの残骸をかき集めても元に戻らなかったが、それどころではなかった。
血を洗い流そうと浴槽に入ったが、詰まってしまい抜けれない。
「くそ!なんでだ!あのちびもう一度殺してやる」
そのとき、排水溝に吸い込まれていく。
「うわああああああ」
「お前のダイエットに協力してやろうと思って排水機能をMAXにしといてやったぞ」
ものすごい排水の力によりデブの脂肪は少し吸い取られた。
「いってえー!!」
しかし内臓脂肪の方が多いため外観的ダイエットにはならなかった。
そのとき出た尿も甘くさかったので、きっと糖尿病だろう。
「くっせ、お前のしょんべんくさすぎ!」
そもそもの太った原因はちゃんこの食べすぎで、食っては寝てを繰り返していた。
「決着は土俵で決めようぜ!」
「望むところだ」
圧倒的に有利なでぶだと思われたが、弱点があった。
何倍にも付加がかかる重力だ。
その重力によりでぶの体は土俵にめりこんでいく、ちびにとっては考えもしなかったチャンスだった。
「あたしの勝ちは決まったようなもんだぜ!」
「ぐうう、体が押しつぶされていく、はかったな!」
汗と土俵の土が混じり泥となり、やがて山となる。
山の神の生贄に捧げられたちびは肥料となり、山の泥はミネラルを豊富に含みさらに栄養たっぷりの泥となった!
「なんて、美しい泥なんだろうか・・・」
体中に泥を浴びたでぶは、天然の泥パックによりみるみるやせていった。
完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます