第176話 お昼の弁当
午前中の試合が終わり、お昼休憩になる。今日は給食がないので弁当を各自で用意してくることになってる。そして我が家は琥珀たそが弁当を作ってくれた。そうか……俺はこの為に生きてきたのかと生を実感。
「上手くできてるといいんだけど」
そう照れつつも渡してくる琥珀たん。可愛すぎ!
「琥珀は料理の腕また上げてるから楽しみにしてたんだよ」
「えへへ。あっくんに美味しいもの食べて欲しいもん」
その気持ちだけで俺は天に召されるよ。そう思いながら可愛い包みを開ける。すると、俺の好きな物をバランスよく彩りよく詰めたお弁当に感動する。
「お母様に色々聞いて、お祖母様にもメールで聞いてみて私なりにあっくんが好きなのを選んでみたんだけど……どうかな?」
そう上目遣いで聞かれて俺がNOと答えるとでも?そして可愛いのでそのポーズで後で是非とも写真を!そんな気持ちをなんとか落ち着かせてそっと箸を摂ると一口。
「うん。美味しいよ。流石琥珀。俺の好きな物だらけだし、それでいてバランス良くて見た目もいい。ありがとうね」
そう言うと「えへへ」と嬉しそうに微笑む琥珀たん。好き過ぎでつらたん。いえ、嘘です好きすぎて愛が溢れだします。
「もう料理は琥珀には勝てそうにないなぁ。料理部でも練習してるんでしょ?」
「うん。でもやっぱりお母様やお祖母様に聞くのが一番早いからあっくんの家が一番好きかな」
そう言ってからまた照れる琥珀。でも少し違うよ。
「俺のじゃないよ。俺たちのだよ」
「あっくん……いいの?」
「琥珀は俺の幼馴染で彼女だし、婚約者みたいなもので大切な家族でもあるからね」
とはいえこれだけは言っておこう。
「いつか二人で住める家を俺のお金で買うから。その時は一緒に来て欲しい」
プロポーズみたいなその言葉に琥珀は驚いてから赤くなって頷く。プロポーズの本番は別できちんとするしまだ早いからね。あの家は父さんの持ち家だしどうせなら俺は琥珀と住める家を俺の金で買う。
「でも……二人暮しは悪くないね」
ふと、そんな事を言う琥珀。
「お父様もお母様も優しくていいけど、あっくんと二人で暮らすのは凄く……なんていうか贅沢だなぁって……えへへ」
……可愛すぎか!贅沢でもなんでもないし!
「少し狭いアパートで助け合いながら暮らすのもいいかもね」
前に見た琥珀が好きそうな映画のシーンを言うと琥珀はまさにそれを想像してたのか嬉しそうに微笑む。そういう二人で助け合う感じに憧れもあるのだろう。既に無自覚で俺をこれだけ助けておいて本当に琥珀は天然で小悪魔さんだね。そんな所も好きなんだけどさ。そんな感じの最高のお昼でした。琥珀のお弁当美味しすぎ!
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