秋の日に
秋の日に
三崎伸太郎 09302025
私は、秋の日にカルスト台地に立っている
台地はススキに覆われて銀色の波が押し寄せては消えた
私はこの風景を額縁のサイズに切り取って家に持ち帰ると壁にかけた
サワサワサワとススキの揺れ
私は銀色のススキを引き寄せて頬に当て詩を歌う
ススキにかすかな吐息
ススキの揺れに微睡んでいると
人々の叫び声が聞こえて来た
風景の無い空間
景色がないと声がした
私の切り取った真四角な空間は自然を無にして穴が開いたように見えている
穴を覗き込んだ人間が「ブラックホール」に落ち込んで行った.
再生の秋だ
サワサワサワとススキが悲しそうに頭を振る
部屋の中のカルスト台地に秋の風が吹く
ススキが銀色の波を作る
私はソファーに座って、切り取った景色を楽しんでいる
人々は狂気の叫び声をあげながら私の切り取った空間に落ちていく
ススキ野に不思議な秋がある
私は切り取った風景をカルスト台地の空間に埋め込んだ
自然がよみがえった
カルスト台地に秋風が吹き
銀色のススキが波を打つ
私は両手をブラブラ振りながらススキになっている
風に吹かれてふらりふらり
遠くの山に雲
青空が辺りを取り巻いて渦を作る
秋の日差しが渦に巻かれて散らばった
辺り一面が秋
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