第5話 彼らと預言、夢
「ウルクで私は叫ぼう、『私は強い』と。
私は運命をも変えてしまう。野で生まれた者にはそれだけ強い力がある。」
「さあ、行きましょう。
彼があなたの顔を見るように。ギルガメシュのいる場所をお教えいたしましょう。
さあ、障壁もつウルクへ行きましょう。
人々が祭服を着ている場所ヘ、
日ごとにそこでは祭りが祝われる。
そこでは●●●若者が●●●。
(雄々しい男がなにかしている?)
そして神聖娼婦姿の●●●。
(女がなにかしている?)
魅力によそわれ喜びに満ちている。
彼らは大路に大きな車を駆けさせている。
生命を楽しむエンキドゥよ。
あなたにとって愉快な男、ギルガメシュを紹介いたしましょう。
彼を見よ、そしてそのおもてを眺めよ。
その顔は男らしさに輝き、活力にあふれている。
彼の全身は魅力で装われている。
彼にはあなたよりも強い力がある。
昼も夜も寝はしない。エンキドゥよ、慢心をお捨てなさい。
ギルガメシュにシャマシュは愛を注ぎ、アヌ神、エンリル、エアがその知恵を広くした。
あなたが山から現れる前から。
きっとギルガメシュはウルクであなたの夢を見るでしょう。」
(アヌ神=天の男神、エンリル=地の男神、エア=水の男神)
ギルガメシュは今日見た夢を解く為に、母・女神ニンスンに言った。
(ニンスン=夢解き・知恵の女神)
「我が母よ、私は夜喜びを覚え、貴族たちの間を歩きまわりました。天には星々が姿を見せており、アヌの精髄(天の星)が私に向かって降ってきました。持ち上げようとしたものの、私には重すぎ、動かそうとしたものの、私の力では動かせなかったのです。
そこへウルクの人々が集まってきました。貴人たちはその足に口づけし、その星を持ち上げようと私が額をあてると彼らは手伝ってくれました。私はそれをようやく持ち上げ、あなたの元へ運んだのです。」
すべてを知る母はギルガメシュに言った。
「本当は、ギルガメシュよ。お前の様な者が野に生まれ、そしてそれを山(平地)が育てたのだ。貴人たちは彼の足元に喜んで口づけするだろう。お前は抱擁し、●●●●するだろう。彼を私のところへ連れてくるがよい。」
ギルガメシュが眠ろうと横になると、またもや夢を見た。彼は母に言った。
「母よ、私はまた夢を見ました。
【●●●のうちに】ウルクの広場がある通りに斧が横たわっており、その周りに人だかりができていました。その斤は大変形が変わったものでした。それを見ると私は喜ばしくなり、それを女のように愛おしみ、側へ寄り、かがみこんだのです。そしてそれを手に取り、私のかたわらに置きました。」
全てを知っている母はギルガメシュに言った。
【約2行破損、それ以降欠損している】
ギルガメシュ叙事詩ーイシュタルの冥界下りー 公道° @syansyan
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