第17話 随筆。時間と幽霊

実は、世界的にみると、日本人はかなり時間と心霊現象を結び付けやすい方だ。


丑の刻参り、丑三つ時、などであり、夜が一番深くなるとき、

という固定した時間をもっている。


ちなみに、昔は23時から1時の2時間を子の刻として、そこから

十二支のめぐりで2時間ずつ、それを一日とした。

だから丑の刻は1時から3時であり、この間に呪詛をかけるため、

藁人形に釘を打ち付けるなどした。


丑三つ時、というのは少し面倒で、2時間を3つに分けるときと、

4つに分けるときがあった。

3つに分けると2時20分から3時まで、4つに分けると2時から2時半まで。


夜が一番深い、ということでそれがお化けと結びつけられてきたのだ。


西洋では、どちらかといえばトワイライト、薄暮が重視された。

昼と夜の境、そこに何らかの不可思議な事象がおきる、という考えなのだ。


薄暮は季節によっても変わるし、北欧では白夜という日々もあり、

それは決まった時間とならなかったのだ。


日本は、一番夜が深い時間だから、丑の刻という決まった時間となった。


あなたは薄暮と、夜の深さと、どちらが怖いですか?

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