パステルカラー!!
にゃんこ!!
まず叫んでおいてから。
猫耳と尻尾を持つ「にゃんこ族」が暮らす平和な王国。
そんな絵本のような世界で、見習い魔法使いのリアが引き起こしたのは、「キャンデイの大洪水」。この時点でニヤニヤが止まらない。
空から降り注ぐ大量の飴玉が、家の屋根を突き破り、紳士淑女を滑らせ、街中を甘い悲鳴で埋め尽くす。
この「飴玉の洪水」という少し間抜けな災厄、「ザザザ!ガラゴロ!」と音を立てて迫るキャンデイの濁流は、恐ろしいはずなのにどこか美味しそうです。
そんなほのぼのストーリーかと思ってたら。「魔法の鏡」のシーン。
普段は無邪気(?)なリアが、親友ナジュナジュに対して抱く「秘めた欲望」が、鏡の中のアレになって溢れ出す場面には、ドキリとさせられました。
ただのほのぼの日常劇かと思ってたら、心の奥底を覗くような不穏な遊び頃があちこちにあったりします。
猫である私にぶっ刺さった本作、猫好きならずとも、この甘い騒動にきっと「にゃん」と絆されるはずです。
まずは鮮やかで豊かな情景・色彩描写を堪能してください。幻想的な雰囲気を支えているのは壁の一枚、服の一着、光の一条の集積であると再認識させられます。
次に登場人物の輝き。2話で登場するのは優しい主人公のリアくんと、可愛い小さな女の子のアシャアシャちゃん。ですがこの後にまだ真打ちが控えています。ナジュナジュという名前のこの子の魅力は名状しがたいものがあります。おそらくすべての読者が「結婚してほしい」と思うはず。
次に魔法の質量について。主人公のリアくんは可愛いだけでなく凄腕の魔法使いであり、冴え渡る呪文の詠唱にも要注目です。冒頭のとんでもない大失敗にも理由があるんです、リアくんは悪くない(とも言い切れない…?)
そしてこれらの世界観を包み込むようにピタリとピースが嵌まっている、童話や絵本を思わせるテンポの文章もお楽しみ要素の一つです。特に幼いアシャアシャちゃんの台詞が全部可愛い。サブタイトルも時に軽妙に、時に静穏に街を彩ります。
さあ、そろそろあなたの頭上にも飴玉が降り注ぐ頃でしょう! ぜひ御一読ください!