第45話

コロッセオの上空では激しい攻防が繰り広げられている、ジュデはそれを見上げつつたまに飛んで来る魔法などを飛翔斬撃で撃ち落としている。


そしてキュリーと教会関係者が治療を、警備隊、憲兵隊、リンナ、ギン、先生達が避難者の案内などを、リンが総指揮をしている。


その一角ではテロを起こした人達が拘束され、その周りを王国、魔族から兵が千人が固めている、後残りの応援兵はコロッセオの外で避難活動をしている。


活動している人たち以外は上空を見上げ行く末を見守っている。


この島に居る全ての人々はこの戦いの結果で又暗黒の戦争時代が戻ってくる可能性が有る事だけは分かった。


彼等は心の中で祈る、戦争は嫌だ、だから終わらせてくれ!と。




その頃上空ではお互いボロボロになりつつ攻防を繰り広げている。


お互いに決定打を決めれないまま戦いが長引く、その中で賢者の石の黒い炎が徐々に弱っている。


だがヒュージも同じだ魔剣から魔力のオーラも弱くなっている。


お互い距離を取り、最後の一撃の為、ジンは賢者の石に、ヒュージは角に集めた。


ジン、ヒュージ「「これで終わりにする!!」」


ジンの魔法の発動の方が早かった、杖に埋め込まれている賢者の石が核となり西洋の竜を形成していく、ジン自身も竜に飲み込まれ額の一部にジンの顔だけが現れた。それに対しヒュージは暗雲を呼び出し、暗雲に飲み込まれる。


ジン「暗雲に隠れるのが最後の手だとはな!我が力で暗雲を吹き飛ばし貴様を葬ってくれる!」


竜の額のジンが叫ぶと同時に竜の口に魔力が集中する。


その時!一本の雷が暗雲から暗雲へとかけ走る。


竜の口から巨大な魔力のブレスが放たれると、暗雲からいくつもの雷がブレスを覆い消し去っていく。


ジン「ほ~!魔力のブレスを雷で細かく砕いたか!だが!暗雲より高い場所に行けばその手は通じなくなるぞ!」


竜の翼を大きく広げ更に高く高度を上げようとした時、暗雲の一部が動いた様に見えた。


高度を上げるために広げた翼を、暗雲が動いた様に見えた場所へ突風を吹き飛ばす様に切り替え羽根を仰ぐ。


突風はいくつものすべてを切り裂く真空の刃を作りその場所を攻撃するが、手応えが無いばかりか、暗雲さへ吹き飛ばなかった。


ジン「バカな!何故!」


暗雲からは竜を取り巻くようにいくつもの雷が走っている。まるで意思を持った雷の様に。


ジン「そうか!貴様の最後の手はいくつもの雷を操る魔法か!ならこれならどうする?」


ジンと一体化した竜は下降を始める、真下のコロッセオを目掛け。


だがジンは知らない、ヒュージの最後の手を、そして忘れている真下にはその最後の手と渡り合える勇者が居ることを。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る