第39話

リンナにキャリーの魔力回復を行う少し前、リンが居る指令室にジンが入ってきた。


ジン「リン王女、これから私が采配を振るいますので、王女様は私の指揮を紅茶でも飲みながら見物をしててくださいませ。」


リン「・・・名前も名乗らない者にはこの部屋からの退去を命じますわ。」


部屋に入って来て、見下すような視線で『指揮官を譲れ』と言うジンに対し、目を細め睨みつけ、扇で口を隠して『誰だお前?邪魔だから出ていけ』と言い返すリン


ジン「これは失礼をいたしました、わたくしめの名前はジン・ホードと言いますお見知りおきを。」


リン「あなたがあの?それこそ大人しくしていた方がよろしいのでは?」


ジンは名前を名乗ると同時に胸に手を当てお辞儀をしたが、リンから見ればギリギリ及第点と言った程度の挨拶だった、それに対しリンは姿勢を崩さず嫌味で返した。そしてこの言葉の裏に隠されている本音は『ジン・ホードだ、ここで活躍してお家が返り咲いたら、これから顔を合わすこともあるだろう、覚えとけ。』『戦争時、敵味方関係なく大量虐殺の指揮を振るった子孫ですの?あなたが指揮をすれば死傷者を増やす結果になりますわよ?おやめになった方がよろしくてよ。』


ジン「あの失敗をしたのは我が祖先ですが、私も同じ失敗を繰り返すとは決まっていません。」


リン「いいえ、既に失敗してますわよ、こうして指揮をしている私の指揮を止めている時点で貴方にはバツが下されますのよ。」


本音は『失敗したのは祖先だろ?さっさと指揮させろよ、そして俺の活躍を指をくわえて見て居ろ。』『何を言っておられるのです?すでにわたくしの指揮を無駄な事で止めている以上、既に罰則は確定ですわよ?そんな方に指揮をさせるはずは有りません。』


ジン「指揮さえさせていただけるなら、その罰則はこれからの活躍にて称賛の評価へと変わります、さぁ交代の指示を。」


リン「あら、自信あるのね・・・」


リンは急に会話を止め左手の人差し指をに当てた、通信者はリンナで、正門の状況報告だった。


リン「・・・・・・そう、分かりました、・・・引き続き警戒を。ジンと言いましたか、残念なお知らせですわよ、正門の方はほぼ鎮圧に成功しましたわ、後は事後処理に移る事になりましたわよ。」


ジン「な!速すぎる!」


リン「後は・・・そこのお二人にお願いがありますの。」


ジンの左右には、正門まで行っていた生徒とギンであった。


生徒、ギン「「はい!何なりと。」」


リン「では、そこのジンさんを捕らえて下さい。」

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