第101話 case101
4人は魔獣を倒した後、くるみに歩み寄り、ノリは呆れたように「ったく… この子は大人しくできないのかね?」と聞いてきた。
くるみは魔力を使い果たし、ボーっと1点を見つめるばかり。
亮介は当たり前のようにくるみを背負い、しばらく歩いていると、5人の前に高すぎるくらい高い岩山が立ち塞がった。
「ボスはあの上だ。 姫、マナポ、1本だけ飲め」
セイジがそう言うと、くるみはマナポーションを1本だけ飲んだが、回復したのは総マナの半分にも満たない状態。
くるみは亮介の背中から降り立つと、亮介に向かって「あんがと」と言いながらにっこりと笑っていた。
しばらく歩いていると、岩場の陰に、1匹の大きな鳥の雛を見つけ、太一が雛に駆け寄った。
「これ何の鳥だろ? 幻鳥の雛かな?」
「ぽいな…」
セイジと太一は雛を見ながら話した後、太一は両手の掌に雛を乗せて上を向き「あそこに巣がある。 あそこから落ちたんだね」と言いながら、高い場所にある岩山のくぼみを視線で指さした。
「上から蔦を使っておろしてやるか」
セイジがそう言うと、ノリと亮介が蔦を集め始め、くるみは太一を抱え、勢いよく空に浮かび上がった。
「あのバカ!!」
セイジの言葉に耳もくれず、くるみは太一を抱えたまま飛び立ち、太一は雛を巣に返した。
くるみは太一を抱えてゆっくりと降り立った直後、セイジはくるみに「お前はせっかく回復したマナを何に使った?」と聞き、くるみはまたしてもボーっとしていた。
セイジはため息をつき「もう1本だけ飲め」と言うと、くるみはボーっとしたままマナポーションを飲み干す。
5人は登れそうな場所を歩きながら探していると、今度は大きすぎるくらい大きなオオカミの魔獣が姿を現した。
4人はオオカミの魔獣に飛びかかっていたが、B級とは違い、魔獣の魔力も体力もはるかに上。
戦闘は長期戦になってしまい、4人はマナポーションを飲みながら悪戦苦闘していた。
くるみはありったけの魔力を振り絞り、氷の魔法を放つと、魔獣は足元を凍らせ、身動きが取れなくなっていたが、くるみもまた動けなくなっていた。
ノリが魔獣の止めを刺すと同時に、全員に残されたマナポーションはセイジの1本と、くるみの持つ2本の状態。
セイジはしばらく考えた後、自分のポーションを太一に渡し「なるべく自分で回復してくれ」と言い切っていた。
くるみは亮介におぶされた直後、寝息を立ててしまい、ノリはそんな姿を見て「あ、寝てる。 今回の最大の誤算は、姫がマナポを忘れてきたことだねぇ」と呟きながら、手に持っていた蔦でくるみと亮介の体を縛る。
亮介はそれを見ながら「やべ、独り占めしてる気分。 ちょっと嬉しい」と言うと、ノリは「ホント、あんたって物好きで一途だねぇ」と少し呆れながら笑っていた。
4人は岩山を上り、しばらく歩いていると、徐々に足場が狭くなっていく。
仕方なく、セイジはくるみを起こし、マナポーションを飲ませることにしていた。
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