第34話 case34

ギルドルームに入った後、くるみはセイジから、自分が絶命した時の話を聞いていた。


「そのピンクの蝶のせいで体がだるいのかな?」と、くるみが言うと、ノリが「だるいの?」と聞き返す。


「だるいって言うか、重いって言うか… そんな感じ?」


「ヒールでも治んないの?」


「うーん… 頭痛いのは治ったけど、だるいのは治んないねぇ…」


くるみとノリの会話を聞いていたセイジが「しばらく休め。 ギルドは気にするな」と言ってきた。


くるみは「ほーい」と言った後、制服をインベトリにしまい「んじゃ、まったね~」と言いながらギルドルームを後にする。


が、くるみが向かったのは賢者たちの建物。


くるみは中に入ると、真っすぐにウォーリアの間に向かった。


扉を開けると、中では亮介がウォーリア賢者に飛びかかっている。


亮介の体はウォーリア賢者の一撃で、床に叩きつけられていた。


ウォーリア賢者はくるみを見るなり「おお!小娘!よく来たな!!」と声を上げ、亮介は肩で息をしながら振り返る。


くるみはゆっくりと中に入り、「おっさん、手合わせして」と切り出した。


「いきなりどうした?」


「体だるいから動かしたい」


「ヒールで治らないのか?」


「ダメだった」


「休んだほうが良いんじゃないのか?」


「うーん。運動不足かなぁって思ったんだよねぇ…」


「2週間以上も寝てたらそうなるだろ」


ウォーリア賢者はそういうと、亮介の持っていた木刀を拾い、くるみに向かって投げた。


くるみはパシッと音を立てながら木刀をキャッチした後、木刀を肩に担ぎ、足を広げて構え、亮介は慌てて壁際に逃げ込んだ。


「来い!」の声と同時に、くるみは一直線に飛び出す。


が、ウォーリア賢者はスッと横にずれ、くるみの背中に強い一撃を打ち付ける。


くるみは「がはっ」と声を上げ、床に叩きつけられた。


「遅くなったな…」


「痛ぇ… やっぱし? 体だるいしねぇ…」


「少し休んだほうが良いんじゃないのか?」


「いや、もう一本」


くるみはそう言うと起き上がり、元の位置に戻る。


再度、大きく構えた後、「来い!」の合図で飛び出し、今度は脇腹に打ち込まれる。



『な… なんなんだよこの2人… これで遅い? 目で追うのがやっとだぞ?』


亮介は呆然としながらそう思い、手合わせをしている二人を見ていた。



何度もくるみが仕掛けては、何度も打ち込まれ、くるみは肩で息をし始めた。


くるみは何度目かの合図の時、飛びかかったと思ったら、勢いよく弾き飛ばされ、爆音と同時に壁に体がめり込んだ。


くるみの体は力なく落下し、地面に叩きつけられ、動かなくなってしまった。


「くるみ!!」


亮介が叫びながらくるみに近づこうとすると、「動くな!」とウォーリア賢者が大声で怒鳴りつける。


「だって…」


「これは男と男の真剣勝負だ! 手出しするな!」


「…女だっつーの」


くるみは苦しそうに言いながらゆっくりと立ち上がり、肩で息をしながら構える。


「最後!来い!」


合図と同時に飛びかかると、くるみの体は床にめり込んだ。


「よし!ここまで!」


ウォーリア賢者はそういうと、くるみの首根っこを掴んで引きずり出し「2発目から魔法使ってなかっただろ?」と聞いた。


「はぁ… はぁ… バレた? キマイラのヤギ、魔法効かなかった事思い出してさ… 痛ぇ…」


「なるほどな。 素の力だけで挑もうって事か! 感心感心!!」


ウォーリア賢者はそういうと、くるみの体を亮介に向かって投げつけたが、亮介は抱きかかえることが出来ず、くるみと一緒に倒れこむ。


「ヒーラー賢者のところで回復してもらえ」


ウォーリア賢者はそういうと、ドアの奥に行ってしまった。

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