この作品は、鬼を倒す異能バトルを描きながら、「鬼とは何か、人間とは何か」という境界をしっかりと物語の中に落とし込んでいるところが魅力だと思います。
特に印象に残ったのが、母親を鬼に殺された大貴が、その仇である屍鬼と対峙するエピソードです。
憎むべき怪物だったはずの鬼にも人間だった頃の記憶や魂が残っており、鬼も望んで鬼になったわけではないという事実を知る展開は、この作品の方向性を強く印象づける場面でした。
もうひとつ印象的だったのが、人間から迫害され続けた遠峰和之と圭史が対立するエピソードです。
同じ汚染者でありながら、人間への憎しみを力で返そうとする者と、それでも人間を傷つけまいとする者を対置することで、単なる善悪では割り切れない構造が見えてきます。
鬼化病という設定も、単なる能力を得るための仕掛けではなく、いつか自分自身も鬼になるかもしれない恐怖や、汚染者への差別、人間社会との関係にまでつながっており、物語の芯としてしっかり機能していると感じました。
序盤までの紹介となりますが、鬼神を目指す彼らがこの先どのような答えに辿り着くのか、これからも追いかけて行きたいと思います