本作は、より高い観測視点に立った世界解釈を感じさせる作品であり、ぜひ推薦したい一篇です。「焚香はWiFi信号のようなものだ」という話を聞いて以来、情報文明論的な視点に惹かれているのですが、本作の一方的に届くメッセージの描写にその連想を覚えました。
SF苦手な人でももしかしたらいけるかもしれない作品です。
優しく柔らかい文体から紡がれるSFなのにどこか懐かしいノスタルジー溢れる世界が独特な空気感を持っています。作者のかたの繊細さと優しさが伝わってくるようです。ルナリアンが低重力下でひょろ長い、コロニー暮らしだから筋トレしないと、みたいな描写も個人的には好きです。
独特な世界観、それを構成する語彙の選択がとても素敵な作品。一文一文がとても丁寧に書かれていて、美しい作品だなぁ……とただただ関心するばかりです。