この作品は、カクヨムコン6異世界ファンタジー部門大賞受賞作品。書籍化、漫画化しています。
それだけで面白さは保証されているようなもの。
読み始めると、実際、面白いです!
ただ一点、冒頭一話が女性向きじゃないかな。私はぜんぜん平気でしたけど、おちぶれてやさぐれた酔っ払いおっさんが、今晩は娼館で女を買いたい、と考えてるシーンが長いので、男性のそういう思考に拒絶感がある女性は、一話にあまり面白みを感じられないかもしれません。
タイトルが「酔っぱらい盗賊、奴隷の少女を買う」ですからね。
もともと男性むけの作品といえるでしょう。
しかーし!
それで読むのを離脱するのは、女性読者にとっても、あまりにももったいない!
「盗賊」というのは、正確にいうと、シーフ、スカウト、という、ダンジョンにおいて、戦闘力は低いけど、宝箱を解錠したり、罠を察知したりする役職のことです。悪い盗人ではありません。
(主人公ハリスは、盗人のダークな世界にも知識が通じていますが)
ハリスは格好が薄汚なかったので、娼館に出入りを断られ、べろんべろんに酔っ払ったいきおいで、よく覚えていないまま、奴隷の少女を買います。顔に傷があり、がりがりに痩せていて、高い奴隷ではありません。
翌朝になって「しまった……」と後悔しますが、時すでに遅し。
少女にむけて男の劣情を内心では持ちつつ、少女があまりに純粋できらきらした尊敬の目を向けてくるので、「まあ、すぐに手を出さなくても……。もっと食べさせてから……」
と、手をだしても良い状況(自分の所有した奴隷だから)なのに、手をだしません。
そして、この奴隷少女、ティアナを買ったことで、あちこちの運気が好転していきます。
ティアナは天使や!(心が)
福の神様や!
おちぶれて荒んだ男を、一人の少女が、信頼の光でもって、立て直していきます。
脇キャラもそれぞれ魅力的。味方キャラも、油断ならない敵キャラも、それぞれキャラが立っています。
話はテンポよく、かなりのスピードで進んでいきます。次々事件がおこります。
そのなかで、ハリスのシーフとしての能力が、いぶし銀の大人の男性の魅力が光ります。戦闘能力は騎士とか、前衛とかにくらべて、あきらかに低い。でも、やる時はやる。しっかりかっこいい男なんです!
ご飯を美味しくつくって、いつも笑顔で「旦那様」とハリスを迎えてくれる健気なティアナは、全読者の癒しです。
いつのまにか、じれじれで、なかなか進まない二人の関係性を、応援したくて仕方なくなっちゃうはず。
性描写にチェックありの作品ですが、そこまでR15の表現があるわけでもありません。女性読者にも安心しておすすめできます。
ハリスが、すごく、すごーくティアナを大切に思うので、実は女性読者にも読んでほしい作品だったりします。
私は最初から最新話まで196話ぶん、楽しく読破しましたよ。
1. 渋い魅力の主人公と、守りたくなるヒロイン
主人公は、かつての輝きを失い酒に溺れる凄腕の盗賊。そんな彼がふとしたきっかけで奴隷の少女を買い取ることから物語が動き出します。自堕落だった男が、少女との生活を通して少しずつ「誰かのために生きる強さ」を取り戻していく過程が非常に丁寧に描かれています。
2. 派手さよりも「深み」のあるストーリー
最近流行りの「チートで無双する」展開ではありません。むしろ、一つひとつの事件や葛藤を泥臭く乗り越えていく姿にリアリティがあり、読み応えがあります。著者の筆致が落ち着いているため、大人の読者でもスッと物語の世界観に入り込むことができます。
3. 徐々に通じ合う心の交流
最初は言葉も満足に通じない二人ですが、食事や日常の積み重ねを通じて信頼関係が築かれていく描写には、思わず目頭が熱くなります。孤独だった二人が「家族」のような絆を見出していく姿は、多くの読者の心に響くはずです。
【総評】
派手なファンタジーに少し疲れた方や、キャラクターの成長をじっくり楽しみたい方に心からおすすめしたい一冊です。読み終わった後、温かい気持ちになれること間違いありません。
数多くある投稿作品が存在する中、読み初めてすぐに作者さんの文字への敬意に胸のすくような清涼感を覚え、思わずこちらが居住まいを正したくなるような素敵な文章というのはなかなか巡り合えるものではありません。
思わず舐めるように文章を読んで景色を頭に浮かばせ、次の話、また次の話へと物語を進めてしまう勿体なさと、キャラクターの魅力にぐいぐいと引きずられてしまうため目を引き剥がせない葛藤を戦わせながら読ませていただきました。
話の筋としてはよくある、落ち目の男が奴隷の少女を買ったことから切っ掛けに転がり始めるという展開なのに、こんなにひたすらに読ませるのは作者さんの人の世に見捨てられようとしている、下り坂の人間に対する愛の注ぎ方のあらわれだと思います。
もったいないですが、一気読みしてしまいました。→実際には数日かかりましたけど。読むのが遅いので当社比です。
強面な盗賊と健気な奴隷少女のお話です。呑んだくれたオッサンが、少女と出会うことで運命を切り開いていきます。シニカルな言動とは裏腹に、実は優しいオッサンは様々な人を惹きつけて、いつの間にかハーレム状態に……
ヤンデレ、サバサバ系、健気系と様々な美女たちに囲まれますが、モテるって苦労するのですねぇ。勉強になりました。
でも本当に勉強になったのは、少女のけなげさです。人を思う気持ちは、全てを良い方向に変えていくのですね。私自身は呑んだくれのオッサンですが、この物語を読んで、少女の良い所を実生活にも生かせればと思いました。
書籍化作品として出ていて気になって読んだのですが面白くて続きが気になり最新話まで読んでしまいました。
まず、作品の主人公はくたびれたおっさん冒険者です。
そのおっさんが報酬でそこそこのお金を手に入れた夜に酔っぱらって大きな買い物をした日から生活が変わっていく話です。
主人公のおっさんは実は、、、と言うのがそこそこありますがオレツエーやチートスキルは一切有りません、有り合わせのもので泥臭く頑張っている姿は思わず心の中で応援したくなりました。
そして周囲から無茶ぶりされながらも頑張っていると周囲の反応が変わってきて主人公のおっさんも何だかんだと言いつついい人っぽいことをしてまた周囲の評価が上がります。
作品としては完結していて一応主人公のおっさんが目指していたものは叶っています(多分)、現在は後日談のエピソードに入っていてそこの展開がとても一読者として気になってます。
キャラ、話のテンポ、物語の展開とどれも素晴らしく書籍化も納得です、まぁただ作者さんの気持ちも分かるのですがあのエンディングは個人的にはちょっとどうかと思う一人です、なので後日談にはとても期待しております。
評価としてはマックスの星三です、書籍を買うか悩んでいるのであれば一度これで読んでみてはいかがですか。