第2話 転移!!!!
日曜日。
薄暗い部屋の中でゆらゆらと、蝋燭の火が揺らいでいます。怪しげな魔法陣が際立って――
「おお……いかにもな魔法陣……!儀式っぽさ超出てる!!!! 凄い凄い!」
「フフン、すっごく頑張って描いたんだよ〜」
部屋には、予想よりも本格的なセッティングに喜びを隠しきれていない様子の二人がいました。
「ええっと、魔法陣の中心に向かい合わせに立っ
て、呪文を唱えるんだよね?」
「そうそう!同時詠唱だから噛まないようにゆっ
くりやるよ〜。呪文、覚えられた?」
「バッチリ!」
「流石、学年成績トップは格が違いますね〜」
「いやいや〜、そうでもありますけど〜? フフッ」
喜ぶのもそこそこに『儀式』の行程の確認を始め、自分達の持つ歩幅よりも大きな魔法陣の描かれた紙に乗りました。
「よしっ! じゃあ始めますか!」
「レッツゴー! なーんてね」
「あーあ、ホントに行けたらいいのになぁ……」
冗談めかして言う詩織に、彩が呟きます。
二人は知るよしもありませんでした。
この魔法陣が本物であることを……。
「「せーの」」
「「『我らの力、この世界とともにありけり……
汝らの難儀は我らが光明、我らの魂を糧に力とせん!』」」
「「『
二人の唱えた呪文は、虚しく彩の部屋を反響しました。当然と言えば当然でしょうが、何も起こらないようです。
「ん……唱えておきながら言うのもアレだけど、やっぱり意味わかんない呪文だなぁ、さすがはネットの――」
詩織はそう言って手を離そうとし――彩に思いっきり手を握られました。
凄い握力です。痛みを感じました。
しかし、抵抗の声を上げるよりも早く気づきました。気づいてしまいました。
彩が手を握った……恐怖を感じた理由を。
「(魔法陣が……光ってる?!)」
二人で協力して描いた、『魔法が発動するはずの無い魔法陣』が、淡い碧の光を帯びています。
驚き過ぎて、視線さえも魔法陣を捉えたまま動くことが出来ません。放心状態の思考が機能するはずもなく、なんで、どうして、疑問と驚きだけが頭をグルグルと回ります。
手の痛みさえ、吹き飛んでしまいました。
魔法陣の淡い光が白く、強くなっていきます。声を上げる間も無く、視界が白く染まり――
ぷつり。と、意識が途切れるのでした。
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