トマト
「やばいやばいやばいやばい」
寝坊した。
残る時間はほぼない。
歯磨きして顔洗って着替えて、
ああ資料はどこだ?
頭が回らない。
これは不味いので冷蔵庫を空けるも、
ほとんど空っぽ。
ひとつだけあったトマトを取り、かぶりつく。
「んむむむ」
口からこぼれそうな汁気を、
下あごを突き出して防ぐ。
そういや祖母も父も、
トマト食べる時はこんな顔だったなあ。
って懐かしむ場合じゃない。
急がないと遅刻する!
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