第152話『カテンの森』



かの世界この世界:152


『カテンの森』語り手:ポチ       






 ちょっと怖い。



 なにがって、カテンの森よ。


 ハンシン族とかにやられて、縮んでしまったヨトゥンヘイムの中で、このカテンの森だけが昔のままにおっきい。


 低い木でも80メートルほど、高い木になると300メートルもあるそうよ。


 そうだと言うのは、自分で確かめたわけじゃないから。案内してくれた巨人族の少年が言ったことなんだけどね。


 メスシリンダーの変異体であるあたしは身の丈が人間の1/6しかない。だから、森から受ける圧は人間の六倍。300メートルの木は1800メートルなのよ。


 そんなのが何千本、何万本もおっ立ってるんだから、あたしはテントの設営も勘弁してもらって、四号の中に留まった。通信機の上のお布団が一番よ。




 ハッチが半開きになってるんで外の様子は分かるんだ。




 巨人族の少年(お爺さんが縮んで若返った)が、いろいろとレクチャーしてくれている。


――ラムノ、ノシホ、そしてみなさんが押しつぶしたノヤが半神の三傑です。ノヤは孤高の神官でしたが、ラムノは実戦派、ノシホは魔導士で黒魔法に長けています。カテンの森は木々が神性を帯びていて、森全体として強力な結界になっています。全てが縮んだヨトゥンヘイムの中で、ここだけが元の大きさを保っていることでもお分かりの事と……――


 レクチャーは微に入り細を穿つって感じで続いている。少年はかなり口うるさいと言うか、くだくだしい年寄りだったんだろうなと思う。ま、それだけ半神族をやっつけて欲しいという願いが強いんだろうけど。


 あたしは、カテンの森は性に合わないから、ここを出るまではお昼寝を決め込むの。




 少年の説明が、心地よい子守唄になったころ、戦車の底の方から音がし始めた。




 コツコツ コツコツ カチャカチャ カチャン




 通信手席と砲塔のターレットの間からだ。


 えーと……四号戦車の仕様を思い出す。たしか、非常脱出用のハッチがあったはず。


 首を捻って覗いてみる。



 あ……!?



 ハッチが半分ズレて、ガスマスクをかぶった怪しい奴が、半身を車内に覗かせている。


「ブハ!」


 空気が漏れる音をさせると、アタフタとハッチの下に落ちて行った。


「待て!」


 飛び起きると、そのまま開いたままのハッチに飛び込んだ。ハッチの下は地面なんだけど、ハッチと同じ大きさで穴が開いていて井戸のようになっている。


 勢いのまま飛び込んで、あとを追いかける。穴は二メートルほど落ちると水平になって、闇の中を逃げていく姿が感じられた。



 え、なに? あいつ、だれ!?




☆ ステータス


 HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー


 持ち物:ポーション・300 マップ:14 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)


 装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)


 技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)


 白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術 


 オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト)  思念爆弾


☆ 主な登場人物


―― かの世界 ――


 テル(寺井光子)    二年生 今度の世界では小早川照姫


 ケイト(小山内健人)  今度の世界の小早川照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる


 ブリュンヒルデ     無辺街道でいっしょになった主神オーディンの娘の姫騎士


 タングリス       トール元帥の副官 タングニョーストと共にラーテの搭乗員 ブリの世話係


 タングニョースト    トール元帥の副官 タングリスと共にラーテの搭乗員 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属 


 ロキ          ヴァイゼンハオスの孤児


 ポチ          ロキたちが飼っていたシリンダーの幼体 82回目に1/6サイズの人形に擬態


―― この世界 ――


 二宮冴子  二年生   不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い


 中臣美空  三年生   セミロングで『かの世部』部長


 志村時美  三年生   ポニテの『かの世部』副部長 

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