第150話『進撃NO!巨人!!』



かの世界この世界:150


『進撃NO!巨人!!』語り手:ブリュンヒルデ     






 大神官……?



 四号のみんなが驚いた。


 どう見ても十二三歳の少年だ。ヴァルハラの神官でも最年少は三十歳のベルクだ。大神官ともなれば六十歳以下では考えられない。


「よく分かったね、ナフタリン」


「ラタトスクは人が発するオーラで区別しているんだ。妖精や聖霊は姿が変わるやつも多くて、見かけで判断していてはメッセンジャーは務まらねえし」


「そうか、オーラでな……オーラであっても神官の属性が残っているのなら嬉しいことだよ」


「いったい、なにが起こったんだよ?」


「ヨトゥンヘイムは国ぐるみ縮んでしまったんだよ」


「縮んだ?」


「巨人の国であるヨトゥンヘイムは図体が大きいので莫大なエネルギーを必要とする。エネルギーの源泉は、我々巨人族に向けられる畏敬の念だ。それが失われてきて、何とかしなければと考えあぐねているうちにこうなってしまった」


「畏敬の念が失われた?」


「十年くらい前から『進撃する巨人』が流行して、ユグドラシル中で大人気になった。ズシンズシンと地響き建てて進撃する姿、踏み出す足の確かさ、振動、風圧、そこに人々は神を見た。我々は神ではないと互いに戒めてはいたが、いつしか、そう見られることに喜びを感じて進撃することを止められなくなってしまった。しかし、あの図体で歩けば意図せずにモノを壊してしまう。通過する街や村の家々にはヒビが入ったり傾いたり、時には倒壊させてしまうこともある。道路には巨大な足跡が穿たれ亀裂が走る。畏敬は畏怖へと変わり、ついには、ただの怖れになってしまった。我々は、それに気づくのが遅すぎた。気づいた時にはヨトゥンヘイムから遠く離れてしまい、帰ることも覚束なくなり、振り返ると、人々は高い塀を巡らし『進撃NO!巨人!』と叫んで拳を振り上げた。畏敬の念どころか怖れと憎しみを向けられ、仲間の多くは巨体を維持することが出来なくなって縮こまって、ついには命を落としていった。そうすると、巨人族揺籃の地、ヨトゥンヘイムそのものも縮み始め、このような有様になった……かいつまんで言うとそういうことだ」


「マシガナさま、神殿の下敷きになっているのは?」


 ロキが気味悪げに指さした。


「それは半神の神官だよ」


「「「半神?」」」


「神と人の属性を持った種族で、我々巨人族の天敵だ。我々の衰退に乗じて、このヨトゥンヘイムに現れ、ついには大神官たるわたしを追い出した、半神三傑の一人ノヤ。君たちが、こいつを押しつぶしたのは啓示なのかもしれない……あなたは姫と呼ばれている。主神オーディンの姫君ブリュンヒルデ殿下ですな」


「いかにも、大神官どの」


「これも何かの縁……というには唐突に過ぎるでしょうが、とりあえず我が家にお運びください」


「しかし、この始末はどうしたらいいだろうか。仮にもヨトゥンヘイムの神殿を壊してしまったのだから」


 タングリスが言うと、乗員みんなの目がマシガナに注がれた。


「おまかせを」


 そう言うとマシガナは瓦礫の上に上がって、周囲に呼びかけた。見かけは人の少年に縮んでしまったが、その声は巨人に相応しい大音声だった。


「ヨトゥンヘイムの人々! 神殿を占拠していたノヤが打ち取られた! 打ち取ったのは、主神オーディンの姫君、ブリュンヒルデ殿下であるぞ!」


 ホォーーーーーーーーー


 家々から安堵のため息が立ち上った。




☆ ステータス


 HP:20000 MP:400 属性:テル=剣士 ケイト=弓兵・ヒーラー


 持ち物:ポーション・300 マップ:14 金の針:60 福袋 所持金:450000ギル(リポ払い残高0ギル)


 装備:剣士の装備レベル55(トールソード) 弓兵の装備レベル55(トールボウ)


 技: ブリュンヒルデ(ツイントルネード) ケイト(カイナティックアロー) テル(マジックサイト)


 白魔法: ケイト(ケアルラ) 空蝉の術 


 オーバードライブ: ブロンズスプラッシュ(テル) ブロンズヒール(ケイト)  思念爆弾


☆ 主な登場人物


―― かの世界 ――


 テル(寺井光子)    二年生 今度の世界では小早川照姫


 ケイト(小山内健人)  今度の世界の小早川照姫の幼なじみ 異世界のペギーにケイトに変えられる


 ブリュンヒルデ     無辺街道でいっしょになった主神オーディンの娘の姫騎士


 タングリス       トール元帥の副官 タングニョーストと共にラーテの搭乗員 ブリの世話係


 タングニョースト    トール元帥の副官 タングリスと共にラーテの搭乗員 ノルデン鉄橋で辺境警備隊に転属 


 ロキ          ヴァイゼンハオスの孤児


 ポチ          ロキたちが飼っていたシリンダーの幼体 82回目に1/6サイズの人形に擬態


―― この世界 ――


 二宮冴子  二年生   不幸な事故で光子に殺される 回避しようとすれば光子の命が無い


 中臣美空  三年生   セミロングで『かの世部』部長


 志村時美  三年生   ポニテの『かの世部』副部長 

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