企画より拝読に参りました。
「死にたい二人が、死ぬために死に続ける」という入り口がまず強かったです。
フェローとアリシアの関係がいいですね。
死を望んでいるのに、日々の会話は妙に軽くて、料理をして、食べて、仕事をして、また死ぬ。
かなり物騒な設定なのに、二人のやり取りには不思議と生活感がありました。
特に、死んだあとにお腹が空くという設定が好きでした。
死に続ける物語の中に「食べる」という生の行為がしっかり置かれていて、そこが作品全体の温度になっていたと思います。
殺し合いと食事が並んでいるのに、読んでいるうちに二人の暮らしとして自然に見えてくるのが面白かったです。
回数が減っていく構成も良かったです。
話数ごとの数字が、ただのカウントではなく、終わりに近づいていく時間として効いていました。
最初は死に向かっているはずなのに、進むほどに二人の間に積み上がっているものが見えてくる。
その変化がきちんと物語の芯になっていたと思います。
フェローの静かな優しさと、アリシアの荒っぽさ。
どちらも過去に傷を抱えているのに、そこを重く語りすぎず、会話や距離感の中で少しずつ見せているところも良かったです。
終盤で、「死ぬための旅」だったものが、いつの間にか「生きるための旅」になっていたと分かる流れが綺麗でした。
死にたかった二人が、死を何度も重ねたからこそ、一度きりの命の怖さに触れる。
そして、その怖さの中で手を握る。
短い作品ですが、設定の面白さだけでなく、ちゃんと二人の感情に着地しているところが印象に残りました。
物騒で、少し歪で、でも最後には妙に温かい。
タイトル通り、二人の死と生が重なって鳴っているような作品でした。