第84話 事業計画?
「ただいまぁ、遅くなっちゃってごめんね。飛鳥ちゃんお土産だよ。駅ビル
の人気店でケーキ買って来たからね」
「ありがとう香織お姉ちゃん。美味しそうだねイチゴのチーズケーキ」
「お帰り香織どうだった? 懇親会は」
「うん。経営者ばかりで私含めて五人だったけど、みんな夢がいっぱいって言うか頑張ってるぅ! って感じだったね」
「経営者の懇親会ってどんな話するんだ?」
「そうだね。今日は税理士事務所の赤城先生の主催だし、私の顔つなぎ程度だったけどね」
「どんな業種の人がいるんだい?」
「IT関係が二人と経営コンサルタントって言う名目の何でも屋さんが一人だね。赤城先生が私をDJのカオリンって事前に教えてたから、みんなフレンドリーだったよ」
「そっか、IT関係は別として何でも屋の社長は性格はどうだ?」
「あれ? 何か頼みたい事でもあるの?」
「うーん、まだ決めては無いんだけどな。俺はあんまり表舞台に立ちたくないし、香織だって向こうの世界とこっちのラジオだけでも結構忙しいだろ?」
「まぁ実際そうだね」
「だから何か思いついた時にビジネスライクに付き合える人間がいればな? って思ってたからさ」
「そうだね。体育会系の明るい性格の人だったから、信用は出来そうな感じかな?」
「そっか、何か頼む時には間に人を入れたほうが良いのかな? 例えばその司法書士の赤城先生だったり?」
「うーん。直接でも問題無いけど、私達ってぶっちゃけて言えばこれ以上稼がなくても問題無いから、知り合いは利益供与出来る様に間に入って貰った方が良いかもね? 私達があまり表に出ずに事を進めるには、絶対人との繋がりを作るのが重要なポイントだと思うよ」
「そうだな。間にクッションを置いた方が、リスクも分散できそうだしそうしようかな」
「ねぇ俊樹兄ちゃん? 具体的に何か考えてるの?」
「ああ、前にさ東京に行った時に、飛鳥にドライブせがまれてさ、その時ランボルギーニをレンタカーで借りたんだよな。折角今は余裕あるし、いつも同じ車じゃ無くて、色々乗ってみたいと思ったけど、体は一つだから色々買っても乗って無い車は倉庫で休むだけになるし車も可哀そうかな? って思ってさ」
「へぇめっちゃセレブな感じするよね。それって高級車専門のレンタカーショップでも取り組もうって事なんでしょ?」
「まぁそんな所だけど、俺が営業活動何てしたく無いから、丸投げできる人材探しかな?」
「扱う商品が超高額だから、それこそかなり信用できる人と取り組まないと、大変そうだよね」
「でも結局は、俺が色々乗りたいだけだから、そこまで利益優先じゃなくてもいいんだけどな」
「でも、うん千万円するような車を運転できる機会なんて、普通の人には滅多に無いし、プチセレブな人の特別な日用に結構な需要があるかも知れないよね。利用者自体を会員制にするとか、特別な人感を演出してあげるとかで、需要が上がる可能性も高いよね」
「へぇ、香織はやっぱり発想のセンスだ良いよな。会員制とかだったらリスクヘッジの意味合いでも安心できそうだな。そう言う風に使うなら新車である必要も無いし、車屋の青木と少し話してみるかな。どうせ明日行くし」
「そう言えば香織、懇親会なのに飲んでないのか?」
「え? 飲んだよ。でも隙を見せるのが嫌だったから、一次会が終って二次会に行く時にキュアポーション飲んでスッキリさせちゃったよ」
「それならどんなに飲んでも大丈夫そうだよな」
「飛鳥ちゃんは明日は予定どうなってるの?」
「私はこっちには友達も別に居ないし、朝から動画編集してるよ。まだ慣れて無いから時間かかりそうだし」
「そっか、じゃぁさ、私が午前中だけミーティングあるけど、午後からは時間あるから、二人で出かけよっか992で」
「素敵だね、行きたいよ」
そんな感じで、それぞれ明日の予定も決まって俺はまた朝方まで小説を執筆した。
書籍分の推敲も終わったから、後は入稿を行い校正を経て校了となるけど、どんな感じかな? 俺の場合は特典はSSを二話と、イラストを使ったポストカードのセットになってるので、その辺りは他の作家さん達に比べて楽だったかな。
販売系列店舗毎に違う組み合わせのポストカードが三枚ずつ付属する。
全部で五パターンあるから、十五種類のポストカードが存在するけど、やっぱり一番のお宝画像は、表紙イラストにもなっている、マリアの手ブラでテネブル抱っこイラストかな?
マリアやシスターのイラストより、チュールちゃんやリュミエルのイラストの方が需要が高そうだって言ってたけど、リュミエルなんてパグだから普通にペットショップ行けば居るからね?
違う点はサイズ感くらいか。背中にチュールちゃんやマリアを乗せたイラストがいいかな?
三時間ほどの仮眠を取り、ポーションを一本腰に手を当てて一気に飲んだ。
正に元気ハツラツだぜ!
香織が作ってくれた味噌汁と、鮭の塩焼きの朝ご飯を食べる。
「香織もミーティング頑張れよ!」
「うん。今の番組はあと三週間だから、もう次に向けてのリスナーへのアピールとかで忙しいよ。人気作家の先生にサイト未掲載のSSを書きおろして貰って、ラジオドラマ風に読み上げるコーナーもあるし、私のアナウンス力も結構重要だからね。初回のラジオドラマは晃子先生が書いてくれるんだよ」
「生だし、なんか内容が怖いと思うのは俺だけか?」
「ママの事だから、思いっきりパパとママの離婚の真相とか書いてきそうだよね」
「マジかよ……」
朝ご飯を終えると、俺はZGPに跨り鮎川の不動産屋へ迎えに行った。
自宅と繋がっている事務所だからな。
到着した事を知らせると、すぐに細身のスキニジーンズとハイカットの
ブーツを合わせたいで立ちで姿を現した。
上は少し長袖のトレーナーに、スカジャンを合わせている。
「ねぇ、私バイクに乗るのって初めてだからさ、ネットで必死にバイクに乗る時のファッションって調べてみたんだけど、おかしく無いかな?」
「そうだったんだ、バイクは体が剥き出しだから、肌が露出してると虫がぶつかっただけでも、傷になる事有るからな。それくらいの恰好で丁度いいよ」
「良かった、夏だし長袖2枚も重ねてると変かな? って結構悩んだんだよ」
「気温が上がる前に到着したいから、もう出ようぜ」
「了解、今日はよろしくね」
俺は鮎川を乗せて川棚に向けて出発した。
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