日本人なら誰もが知る「本能寺の変」。日本の歴史を変えた大事件を、メンタル弱めの明智光秀とパリピな織田信長によって大胆改変した、歴史好きもそうでない人も楽しめる作品です。
物語は、明智光秀が「敵は本能寺にあり!」という決め台詞を練習する場面から始まります。しかし緊張で噛みまくりの光秀は部下たちからも呆れられる始末。一方の本能寺では、信長が特製石窯ピザを焼きながら盛大なパーティを開催中。この珍妙な状況が、やがて狂乱の夜へと発展していきます。
本作の魅力は、なんと言ってもキャラクターたちのユーモラスな描写。本作で描かれる明智光秀は優柔不断で豆腐メンタルのへたれキャラ。「謀反するぞ!」と意気込むもののすぐに心が折れる姿が笑いと涙を誘います。
一方の織田信長は破天荒さに磨きがかかり、本能寺でピザ窯をフル稼働させる料理マニアとして登場。部下たちを振り回しながら自信満々でピザを焼き続ける姿は滑稽な笑いを提供してくれます。
コミカルさあふれる軽やかな文体も、この物語の魅力です。現代ならではの比喩やテンポの良い会話劇が随所に散りばめられ、読者を飽きさせません。「流行語大賞」や「カラオケ」など戦国時代とは無縁の要素が自然に溶け込んでおり、時代とのギャップがさらに笑いを誘います。
歴史上の悲劇的な事件をユーモラスに描いたセンスの塊。もはや語りつくされた感のある「本能寺の変」の新しい魅力に目覚めること間違いなし!な新感覚歴史コメディです。