くずンボ
Norqneko
第1話 葛葉と凛月
「おい、葛葉!ゲームばっかりやってないで学校いけ!いつまで親のスネかじって生きるつもりだ!」
「うるっせぇなぁー!んなこたぁ分かってんだよ!だまってろ!」
「じゃあもう俺は仕事に行くから、たまには外でも歩いたらどうだ?」
と言って親父は仕事に行った。
APEXを友達の叶と数時間ほどやっていると、朝の親父の言葉が妙に頭に残り、イライラしていた
「叶、オレ一回やめるわ。外歩いてくる。」
「なんかあったん?まぁ、いってら」
そうして叶とのゲームを終え、時計を見ると4時を回っていた。もうこんな時間か、と思いながらコンビニに行き、スナック菓子と飲み物をいくつか買って気晴らしに公園に寄ると、綺麗な桜を見つけた。
「あ!葛葉くん!こんにちは!」
「凛月さん!?ッスー…こんにちは。桜綺麗っすね。」
「そうだね!ところで葛葉くんが外に出てるなんて珍しいね、何かあったの?」
「別に…なんもないっすけど。」
「ウソでしょ。おねーさんはそんな嘘に騙されませんよ!何があったの?教えて?」
「おねーさんって、同い年じゃないっすか……」
「実は、朝こんなことがあって……」
そうして今日の親父との会話を話した。
「俺も、このままじゃダメだってことは分かってるんですけど…」
「やっぱりあの事件のこと気にしてるの?」
『あの事件』とはまだ俺が学校に行っていたころ、不良に絡まれ暴力沙汰にまで発展してしまった。俺が学校に行かなくなる直接的な原因となったこの1件から学校からはヤバい奴と見なされ、陰口がヒソヒソ聞こえる、そんな状況が嫌になって俺は不登校になった。
「そんなに気にしなくていいと思うよ?喧嘩しちゃったのは確かに良くないけど、悪いのは不良の方でしょ?なんなら私が一緒にいるよ?だから明日から学校いこ?」
「いや…でも、」
「明日家行くからしっかり学校の準備しておいてね!じゃあまた明日!」
そうして凛月さんと別れ、家に帰った。
「あぁ、叶?オレ明日学校行くことになったわ。」
「葛葉が!?何かあったの?」
「いや、外で凛月さんにあって…」
「あの葛葉にもついに春が…!」
「そー言うのじゃねぇから!」
そうして叶と日付が変わるくらいまでゲームしてから寝た。
「ねむい…こんな時間に起きたのいつぶりだろ。
あ、ねぇちゃんおはよ。」
「葛葉!?こんな時間に起きるなんて珍し!てか制服!?学校来る気になったの!?」
「まあ、」
「かーさん!とーさん!葛葉が!!学校行くって!」
「葛葉が!?じゃあ赤飯作ってまっちょるわ。」
「外出てなんかあったのか?、どちらにせよ学校に行くってきめてくれてよかったわ、頑張れよ。」
ピンポーン!
「こんな朝から来客なんて珍しいな。」
「おはようございます!桜凛月です、葛葉君いますか?」
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