強さのコメディ化」という発想が秀逸。
強くなること自体は定番の快感だけど、この作品では強すぎるがゆえに山が消え、時間軸がずれ、リコリスがおっさんに変わる。強さを「笑い」に変換するセンスが抜群で、ありがちな無双展開に新鮮味を与えている。
また、感情の緩急の付け方も巧みで、冒頭の退学シーンで理不尽な悲しみをしっかり積み上げておくことで、裏世界での解放感が何倍にも膨らむ。
読んでると、知らず知らずのうちに応援している。リコリスとのやりとりは軽妙で、重たくなりすぎない絶妙なバランスを保っており、物語全体の空気を明るく保っている。