うい

間違えて買ってきた

そんなところがかわいくて

すべてゆるしてしまうとは

どうしてこんなに穏やかか

気まずそうな顔をして

こちらをうかがい

ちらちらり

そんな怒るとおもうているかい

きみの間抜けは知っている

前から前から知っている

そんな今さら怒るかよ

何も言わずにいたろうよ

なのに冷や汗かいて

ちらちらみてる

わかったわかった

お前はきっと恥ずかしい

同じ屋根では恥ずかしい

新しいは恥ずかしい

右斜めに顔を伏せ

俺の顔は見ないとさ

まだ何もいううてないか

なんな可愛い顔をして

新しいは少し嬉しい

買い物行くか

店はまだあいている

だったらおててを繋いでいけばいい

ちらちらふいに目があった

この上目遣いに弱いのさ

知っているかい知らないか

一度も言ったこともない

ほらほらおてて握ってさ

初めて一緒にいこうとね

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

六月は最後に 朶骸なくす @sagamisayrow

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ