第40話、変化に気付いたクラスメイト達
『なぁ、なんか最近の風香ちゃんやけに色気あるよな』
『俺もそう思ってた、なんと言うか人妻感があるって言うか』
体育で、バスケットボールで試合をやっていなかった、男子達がそんな話をしているのが聞こえてきた。
なので俺は、その男子達の話の輪に加わった。
『風香が、、なんだって?』
そう言うと、男子達が遠慮がちに俺にこう聞いてきた。
『あのさ晴樹、もしかして風香ちゃんと進展あった?』
『え、進展って?』
俺は、少し誤魔化すように聞き返した。
『そりゃお前、進展って言ったらあれしかないだろ、、なぁ』
『そのつまり、、もしかして、ヤッたのか?』
ブフッッッ!
『な、何言ってんだよ突然!』
『だって、なんか風香ちゃんの雰囲気が変わったって言うのもあるんだけど』
『晴樹も晴樹で、なんか逞しくなったような気がするし』
まさか、そんな事を言われると思っていなかった俺は、少し考え込んでしまった。
俺が黙ってしまったので、更に追い討ちを掛けるかのように聞いてきた。
『それで、どうなんだよ!沈黙は肯定とみなすぞ!』
そう言われてしまった俺は、渋々首を縦に振った。
『うわぁ、まじか。』
『俺たちもう晴樹なんて気軽に呼べねぇよ』
『これからは、"晴樹さん"って呼ばせて貰うわ。』
『いや、普通に晴樹でいいだろ!』
『いやいやいや!先に大人の階段を登った晴樹さんに、そんな呼び捨てだなんて、、』
『やめてくれ!と言うか、ちょっとふざけてるだろ』
俺がそう聞くと、男子達は完全に無視して話を続けた。
『まぁまぁ、それより晴樹さん実際どうだったのよ、、、』
こうして体育時間は、俺に対する質問攻めでまともに授業どころじゃなかった。
『え!そんなに分かりやすかったのかな』
『凄い恥ずかしい。。』
帰り道に、風香にさっきあった出来事を伝えると、かなり照れていた。
『俺も、ずっと質問攻めでしんどかったよ』
『皆、凄い弄ってきたし、、しまいには、"晴樹さん"なんて呼ばれるようになっちゃったし。』
『あははは!何それ!まぁ確かに晴樹さんだね(笑)』
『なぁっ!?風香までやめてくれ』
『ごめんごめん、冗談だってば』
『でもそっか、、周りからはそう見えてるのか、、、恥ずかしいけどちょっと嬉しいかも。』
どうやら風香は満更でもないようで、少し嬉しそうにしていた。
『あ、そう言えば女子の間でも話題なってたよ晴樹のことで』
『え、誰が言ってたの?』
その事に関しては、予想外だったので少し驚いた。
男子が風香の話をしているならまだ分かるが、まさか俺もだなんて。
それよりもどんな話題になっていたのかが気になった俺は風香に再度聞いてみた。
『因みになんて言ってたんだ?』
『えっとね、なんか最近の晴樹がカッコ良くなったとかだったかな』
『まじ!?誰が言ってたの教えて風香、、いててててっ!』
『何鼻の下伸ばしてるのよ!全くもう』
鼻の下を伸ばしているつもりはなかったのに、風香に頬っぺたを思いっきり抓られた。
『ごめん風香、、こっち向いて。』
『なに?クラスの女子にモテるようになったみたいで良かったね。』
風香は、完全に拗ねていた。
(はぁ〜もうしょうがないな。)
『風香いいからこっち向いて』
俺は強引に、風香の体を俺の方に向けた。
『いきなり引っ張ってなにして、、、んっ!』
『ごめん風香、、俺が好きなのは風香だけだから心配しないで』
そう言うと風香はこう言ってきた。
『分かってるよそんな事、、でももう一回してくれたら許してあげる』
『全く調子がいいな、風香は』
『えへへ、そんな私の事嫌い?』
『まさか、、そんな訳ないよ』
『それなら良かったよ、、、んっ』
『分かったよ、、風香の仰せのままに』
そして俺はもう一度風香にキスをした。
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