第13話、すれ違った二人、やがて二人の想いは一つになる。

放課後、、、



俺は、健太に言われた通りに学校の校門前で風香を待っていた。


『ここで待ってろって言ってたけど、風香は俺と一緒に帰ってくれるのかな。。』



そんな事を思っていると昇降口から出てくる風香の姿が見えた。



(来たっ!風香だ!)


風香は少しずつ俺の方に近づいてくる。



ドックン、ドックン、ドックン、



次第に俺の心臓の音が大きくなる。



そして、風香は俺の前で止まった。


『 ..................... 』


『 ..................... 』



暫くの間、二人の間に沈黙が訪れる。




グラウンドで部活をしていた野球部の掛け声と、甲高い金属バットの音がよく聞こえる。



沈黙に耐えられなくなった俺は、意を決してゆっくりと口を開いた。



『あ、あのさ!、朝ぶりだね。』



『そ、そうだね。』



その後、再び訪れる沈黙。



覚悟を決めた俺だったが中々本題を切り出さずにいた。




すると風香は少し躊躇いながら俺にこう言ってきた。



『と、とりあえず歩こうか。』


『うん。。』



そして俺達は二人は歩き出した。



歩いている間も、相変わらず二人とも何も喋らずただゆっくりと歩いていた。



(は、早く風香に伝えないと!)



家までの距離は着々と近づいている。



俺は思い切って風香にこう言った。


『あのさ!少し寄り道しない?』


俺は近くの公園の方を指を指した。


『いいよ。』



そして俺と風香は入口近くの公園のベンチ腰掛けた。



(すぅーはぁー、すぅーはぁー、よし!)


俺は覚悟を決めて風香に話を切り出した。



『実は、風香に謝らないといけない事があるんだ。』


すると風香はこちらに向き直してきた。



『な、何を謝らないといけないの?』


そう言った風香の声は震えていた。


『.........本当にごめん!、実は記憶喪失って話嘘なんだ。』



『えっ!ど、どう言う事?』


風香はかなり驚いていた。


『あの日、ただちょっとした悪戯心で言っただけだったんだけどその、、』


状況を理解したのか風香の顔が徐々に赤くなる。


『風香が、晴樹の彼女です!って言ったから引くに引けなくなっちゃって、、』


『その後もね、、、』



俺が気まずそうに言うと、風香は顔はもうこれでもかと言うくらい真っ赤になっていた。



しかし、その次の瞬間風香は悲しそうな顔になり、俺に謝ってきた。



『ご、ごめんね。 迷惑だったよね?』


『迷惑ってわけじゃ、、、』



俺が少し反応に困っていると続け様に風香がこう言ってきた。


『迷惑だったよね、だからラブレターの事を聞いた時あんな反応したんだよね?』



『本当にごめん!もう晴樹とは関わらないから!』



そう言って風香は走り出そうとした。


『ちょっと待って風香!!!』



走り出そうとした風香の手を俺は掴んだ。


『なに!もう私は大丈夫だから!だから離して!!』


そう言って風香が暴れだしたので俺は、、




_________風香の事を強く抱き寄せた。



『えっ?』


風香は驚いた顔をしていた。


そして、俺は風香に今の自分の想いを伝え始めた。



『実は俺、風香が告白された時隠れて見ていたんだ。』



『そ、そうだったんだ。』


風香はその時の事を思い出し、再び顔が赤くなる。



『それで、風香が告白の返事をする時に最初、ありがとうございます!って言っただろ?』


『うん、その後ちゃんと断ったけどね。』


うん、と俺は首を縦に振る。


『でもその時俺さ、風香がもしかしてOKを出したんじゃないかって思っちゃってさ、』


『うん。』


『俺、胸が張り裂けそうなくらいに辛かったんだ。』



『そして、その時に俺気付いたんだ、

俺は_____』



すると風香は自分の口に手を当てた。

俺が何を言おうとしているのか分かったようだ。



(気づくのが遅くなってごめん。)



『俺は、どうしようもないくらい風香の事が、、、』





『__________大好きだったんだなって。』




そう伝えると、風香の目から沢山の涙が溢れて出てきた。


『えっぐ、えっぐ、良かったよ、よがっだよぉ〜〜!わたし、わたし、』



そう言って、安心したように風香は泣いていた。



そして俺はこれからその告白の続きを言わなくてはならない。



『だ、だからさ風香』



『ぐすっ、はい!』



そうして俺はこう言った。。






『俺の彼女になって下さい!』



そして風香の返事は、



『はい!私を本当の晴樹の彼女にして下さい!』



風香は泣きながら満面の笑みを浮かべて、

えへへっ、と可愛らしく笑っていた。



俺達は気付けばお互いを見つめ合っていた。



『......風香』



『うん、晴樹........』




そして俺達はゆっくりと。。。






___________キスをした。




その日はとても綺麗なオレンジ色の夕日だった。。。






………………………


読んで頂きありがとうございました!!


なんだかもう終盤っぽい雰囲気になってしまいましたが物語はまだまだこれからなので、


これからもどうぞ宜しくお願いします!!


感想、評価お待ちしております!





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