第14話

高校3年生になった。

私達は4人、同じクラスになった。

サヤカはいつの間にか学校をやめていた。イクミは相変わらず彼氏と続いていて、その彼氏と同じ大学に行くために進学クラスを選び、もう私の前の席はイクミじゃなくなった。

私の隣の席は、またタロウだった。そして離れてるけどミカがいて、ジョーもいる。4人は同じクラスになった。

クラス表を見てミカとかなり喜んだ。進学クラスじゃない私達のクラスは気楽だった。

提示版のところにジョーとタロウも来て、みんなで喜んだ。

今日は昼過ぎに学校が終わるから4人で遊ぶことになった。

ファミレスに行ってご飯食べて、ぐだぐだと話したりしてたら外が夕焼けになってきた。

「夕焼け見に行こうぜ」

とジョーが言うと、みんなノリノリで外に出た。

ミカの自転車にジョーが乗り、ミカがその後ろに乗った。だから必然的に私はタロウの後ろに乗りことになる。タロウが「ルイ、早く」と言うから「うん」と言って後ろに乗る。

タロウが前みたいに私にリュックを渡す。タロウの背中がすぐここにある。

走り出した自転車。タロウの匂いが近くにあった。

この背中がすきだ。

「タロウ~」

「なに~」

「風がきもち~ね~」

「きもち~」

私がタロウと距離を置いていたのかもしれない。そう思った。

でも、今はその距離なんてない。こんなに近くにいて今目の前にいる。

自転車はぐんぐんと前に進んでいく。

ジョーの家の近くの河原についた。ここはタロウと前に2人で来たところだった。

4人で草の上に並んで座った。

自転車を降りるときにタロウが私にだけ言った。

「ここ、前来たね」と。


 

ルイと同じクラスになった。そしてまた隣の席になった。嬉しかった。

学校が終わると4人で遊ぶことになってファミレスに行った。

「4人が同じクラスなんてさ、まじで嬉しいわ」

「ほんと。絶対楽しくなるな」

と、ミカとジョーはかなりウキウキして店に入っていった。

4人でいる時はいつもルイがジョーの横に座る。俺はミカの隣。

そして俺の目の前はいつもルイだ。俺は、ルイの隣に座るよりも目の前にいる方がすきだっった。

あっという間に夕方になってて、ジョーが出ろうと言うのでみんなでファミレスを出た。

みんなで2ケツして夕焼けを見ることになった。自転車は2台しかない。

俺の後ろにはルイが乗ることになり、俺はすごく緊張した。でもバレないように頑張った。

ルイが後ろにいる。すぐ後ろに。

たまに俺のブレザーを掴むルイがかわいかった。

ジョーの家の近くの河原に着いた。ここに近づくにつれて俺の心臓はドキドキしてた。

俺がルイの手を握ったところで、俺がルイに告ったところ。

「ここ、前に来たね」と言うと、「うん」とだけ言ったルイ。

思い出したかな?俺は、少しドキドキするよ。と、心の中で言った。

4人で並んで座った。俺はルイの隣にいる。

ジョーとミカは楽しそうに笑ってる。

「夕日バックで4人で写メろ」

とミカが言うので、みんなのバックを積んでカメラを設置した。

タイマーにして、みんなでカメラに写る。

みんな肩を組んでるし俺もルイの肩に手を回した。

「3~2~1」カシャ。

「おい、ルイ~、どこ見てんだよ」

と、ショーが写った写真を見ながら言う。「もう1回な」と。

ルイは、俺の置いた手を見てた。

ミカもジョーも何も言わなかった。

「はい、もう1回~」

とミカが言って、もう1回位置についた。

俺は2回目はもうルイの肩に手を回さなかった。

楽しそうに4人で笑っててその写真がお気に入りになった。

その後、ジョーの家に行って、たこパすることになった。買い出しをして準備した。

今日もミカが上手に焼いてくれる。ジョーの兄貴が入ってきてルイの後ろに回る。

「ルイ、お前がすきなもんやろうか」

「え、なに?」

「お前らもほしいだろ?」

と言って、俺らに聞く。そしてポケットからお酒を出してきた

「今俺らの部屋でみんなで飲んでるからわけてやるよ」

「まじ?!私がとりいく!!」

「俺もとりいく~」

と言ってルイとジョーが部屋を出た。

「タロウ」

「ん?」

「あんたってさ、まだすきなの?」

「え、なんで?」

「見てたらわかるし」

「そういうお前こそ」

「私は、そのうち、、」

「言うの?」

「言うおうかな」

「いいじゃん、言えよ」

「いいと思う?」

「いいと思うよ、美男美女じゃん」

「ほんと?」

「うん」

ミカは、ずっと言えないでいた。ジョーがずっと好きなのに言えなかった。

「うそ。言わないよ」

「え?うそかよ」

「今のままでいいよ、私」

ガチャ。

「お酒GET~!!!!」

俺たちお酒をぐびぐび飲んだ。ゲームしながら飲んでミカは「もう無理~」と言った。

ルイは意外にお酒が強くて、それに匹敵するくらいタロウもお酒が強い。まだのむと言ってまた隣の兄貴の部屋までルイが取りに行った。

ミカが寝転んで、そのまま本当に眠ってた。

ジョーがミカの顔を覗きながら「こいつ、かわいいな」と言った。

ジョーがミカの前髪を指で触れる。

俺は、こいつが羨ましい。

なんで、そんな簡単に触れるんだよ。


でも、俺はすぐにルイの前髪に触れることになる。

「タロウ、のんで!!私も飲む!」

ルイが酔ってる。

缶チューハイを飲むルイを見てる俺。

ルイが俺の手を引っ張り、手のひらを上向きにし、顔を乗せた。ほっぺたを。

俺は、それを見て触れられずにはいられなかった。

前髪を恐る恐る指ですくい耳にかけた。

「お前、もう色々我慢すんなよ」

ジョーがそう言ったのを俺は、何度も思い出す。

その後、ジョーはミカを送っていった。

俺はルイと取り残され、ルイは俺の手のひらで顔をころころする。

起き上がったルイは、「ジョーは?」と言ったが、俺は返事をせずにルイにキスをした。

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