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その様子に
「あの、良いんですか? あと二人待たなくて」
「あぁ、もうしばらく時間がかかるみたいだからな。気にせず食べろ」
「でも宿のお客さんなんですよね? おもてなしとか」
「一人は常連だ、必要ない。勝手知ったるで勝手にやってきて勝手に食う。そんな事よりもお前が喰われないように気を付けろ。興味津々だったからな、一応私の監視下に置いていることは通達してあるが油断していると喰われるぞ」
「くわれる? あの、それは一体どういう意味で」
恐る恐る
「意味か、そうだな、色々な意味でだ」
「えぇっと、よくわからないんですけど」
「心配するな、もうすぐ分かる」
心配をしているわけではないのだが、
今から来る
一口ずつ、男にしてはかなり丁寧で上品に食べていく
あっけにとられる
米粒一つ残さずあっというまに食べ終わった
「ところで、時間を忘れ熱中してしまうほど面白かったのか?」
「香と言えば仏壇に使う線香っていう物しか知らなかったし、もともと知らないことを知るのが好きなのでつい夢中になってしまって」
「知るのが好き? あぁ、そうか。
「
「ふむ、そういえばそうだった。まぁ、大したことじゃない、気にするな」
何でも無い様には思えないと
自分がなにかしてしまったのだろうかと、少しおどおどしている
「そういえば、
「いえ、やり方も何も知らないんで、とりあえず知らないとだめだと、今は本だけ読んでいます」
「そうか。その方がいいな、香も焚き方がいろいろある。やりながら覚えることもできるが、まるで知らないのであればまずは知識だ。試しに焚く時は呼んでくれ、同席する」
「はい、分かりました」
結局「
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