第8話 新たなる力!

 すんごいパワー!

 メイク・ア~~~〇プ!!


 ボン!


 キュ!


 ボン!


 王女にぶっかけられ新しく獲得した力で女に変身した。


「さあ行きますよエロイさん」

「ええ、畏まりましてよクソ王女様」


「「……」」


 少しにらみ合って、牢を出る。

 敬礼する牢番の兵士にウインクしたら「オエッ」ってしやがった。


「まずは城を出て飛行場に向かい、飛行船で西のリトルブルー公国へ、次に陸路でミドルイエロー共和国を経由して、グランドレッド帝国を目指します」

「よろしくてよ」


 王女の長靴ブーツと俺のヒールの音が地下の廊下に響く。


「……グランドレッド帝国のシグナ皇帝に面会し、約定を果たします。それによって私の悲願は成されるのです」

「わかりましてよ」


 王女の顔を見てクソ真面目な敬礼した兵士が、俺を見て口元を抑えやがる。


 はい、今ので「10オエッ」頂きました!


「………………あなたにはグランドレッド帝国まで私の護衛をしてもらいます。もちろん報酬は払います」

「おしっこは嫌ですわ」


 ブンッと屈んだ俺の頭上を王女の右回し蹴りが過ぎて行った。

 かなり際どい黒が見えた。

 普段なら鼻血出して失神してただろうが、女になっているせいか明鏡止水だった。


「チッ!」

「あら、舌打ちなんてはしたないですわ。もっとエレガントになさいませ。淑女たるもの、常にエーレーガンッツォ!! を心掛けるべきですわ!」


 オーッホッホッホ。


「…………精神に異常が出たのかしら。やはり責任全部押し付けて処分すべきだったかしら?」

「失礼ね。私は正常ですわ!」


 マジ正常。

 でもなんか精神が変身に引っ張られてる気がする。


 美少女メイドと筋骨隆々兵士が並んでたら、兵士の方が気になるし。


 お、イケメン発見。

 

「うっふん♡」

「オゲロッ」


 あ、兵士が死んだ。

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