第66話 すぐ近くに

一難去ってまた一難とはまさにこの事。今の私は少し気が動転していました。

どうしてそんな状態になったのか。


──それはでした。


(近い!近いですっ……)


今現在、私と葉幸くんとの距離はほぼ0。

指を少しでも動かせば触れられる距離です。


更に、葉幸くんが背を向けている状態ならまだ良かったのですが、顔が私の方を向いているために私の意識の全てが葉幸くんに向けられている状態でした。


(どうしたらいいんでしょうか!?

このままでもいいんでしょうか!?)


離れればいいだけなのですが、1度離れてしまえば私からは絶対に近づくことは出来ないと思います。

それはなんというか、勿体ない気がします。


(葉幸くんの肌、綺麗ですね……)


私は、その綺麗な頬に触れてみたい衝動に駆られて手を伸ばしましたが寸前のところで……


「わ、私は何を!?」


我に返って手を引っ込めてしまいました。

なんというか、理由がないと近づいてはいけない、触れてはいけない、そんな気がしてしまいます……


(そ、そうです!葉幸くん体調悪そうにしていましたし、熱があるかもしれませんね!)


私は心の中でそう理由付けて、葉幸くんの額に手を当ててみます。


「ふ、普通ですね……」


それが分かったのと同時に、「私は何をしてるんだろう」と思ってしまい、その後からは少し距離を開けて葉柚さんの到着を待つことにしました

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