第48話 顔が見たい

「ほ、ほんとに?あの眠り姫」


「はい、そうです。あの眠り姫ですよ」


「そ、そうなんだ……

ちょ、ちょっと私顔みて確認してくるね?」


そう言って美雪ちゃんは眠っている葉幸くんに静かに近づいていきます。


──絶対、顔を見たいだけですよね?


美雪ちゃんは葉幸くんの顔を見たことは無いので確認しようが無いはずですからね。


それに、時々葉幸くんのことを学校で話す時も美雪ちゃんは「どんな顔してるんだろうね〜?」とか「もしかしたらすごくイケメンかも!」なんて話をした覚えもあります。


そして戻ってきた美雪ちゃんは……


「え…?えぇぇ…!?

ね、ねぇココナッツ!眠り姫って男じゃなかったの?それとも本当にお姫様だったの!?」


美雪ちゃんは椅子に座った葉幸くんの顔を覗き込み数秒固まると、ダッシュでこちらに戻ってきて私の体を揺さぶりながら葉幸くんのことを聞いてきました。


(まぁそうなりますよね……)


葉幸くんは童顔ですし、髪も男の子にしては長めなので女の子に見えてしまっても仕方ないでしょう。


「葉幸くんはちゃんと男の──」


「ふわぁぁ……。なんか騒がしいなぁ……」


私が葉幸くんのことを説明しようとしたその時、椅子で眠っていた葉幸くん本人が目を覚ますのでした。

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