第38話 名前呼び

浜辺くんを名前呼び!?そんなの急には無理です!

男の人との関わりこそありますが、それでも名前呼びなんてしたことは1度もありません!


「い、いやでも、葉柚さんのことは葉柚さんって呼んでますし……」


「でも、学校とかじゃ「浜辺」で呼ばれることも多いしどうしても反応しちゃうんだよね〜」


葉柚さんはニヤニヤとイタズラっ子な顔で言います。


「で、でも!浜辺くんもそんなに馴れ馴れしくされるのは嫌じゃないですか…?」


私は最後の希望とばかりに浜辺くんに助けを求めてます。


しかし……


「いや別に嫌ではないかな。バイトの同僚の人とかも姉さんもいるから下の名前で呼んでるし、僕と姉さん両方に関わりがある宝田ならむしろそうした方がいいのかもしれないね」


浜辺くんの方はきっと真面目に答えてくれたのでしょうけど……


もう、逃げられないみたいです……


「はい!それじゃあ名前呼びどうぞ!」


葉柚さんは空のコップをマイクのように持って私に名前呼びをするように促します。


「えっと、じゃあその……はさち…くん?」


(うぅぅ…!恥ずかしいですね!名前呼びをするだけでこんなに変わるなんてビックリです……)


そんな事を思いながら浜辺くんの顔を見ると……


「……ん?僕の顔に何かついてた?」


浜辺くんはハンバーガーの最後の1口分を食べ終えて満足そうな顔をしていました。


(もしかして…聞いてなかった!?)


一方で葉柚さんはというと、浜辺くんの隣で必死に笑いをこらえています。


「ふふっ……が、頑張ったね心夏ちゃん…ふふふっ」


「笑わないでくださいぃ〜!」


葉柚さんに笑われたのが悔しかったので名前呼びに慣れるまで永遠と心の中で「葉幸くん」と唱え続けていたことは私だけの秘密です

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る