第27話 溶ける

翌日の早朝、私は支度をいつもより早めに済ませて家を出ました。


「たしか、7時20分に生徒会長さんの家にいけばよかったんでしたよね」


昨日は生徒会長さんと一緒に帰ったので家はちゃんと覚えています。

意外と家が近かったこともあって10分前に家を出れば間に合いそうです。


「お母さん、行ってきます!」


「はぁ〜い、行ってらっしゃ〜い」


ガチャ……


「え?」


「おはよ」


そこには、何故か浜辺くんが立っていました。


「えっと、おはよう浜辺くん。どうしたの?」


「僕は嫌だって言ったんだけどね……

姉さんが道分からないかもしれないから迎えに行ってこいってうるさくって」


なるほど、生徒会長さんが……ってあれ?

私、浜辺くんに家教えてたかな?


「えっと、浜辺く──」


「早く学校で寝たいから先に行くぞー」


「え?待ってください!」


まったく!浜辺くんって意外と自分勝手なんですね



それから少し歩いて、途中で待っていた生徒会長さんとも合流して3人で学校へと向かいます。


「あー太陽がまぶしー…」


「そんな、まるでドラキュラみたいなこと言わなくても……」


まるで「もう溶けるー…」と言わんばかりの顔をしていますが大袈裟だとおもうんです。それにまだ冬の時期の今で、熱くなるのはこれからだと言うのに……


「いやいや!これが大袈裟じゃないんだよ!さちくんってば30分以上太陽の光を浴びると行動不能になるんだよ!」


「いや、それさすがに言いすぎなんじゃないですか?」


「あ、そろそろだ」


「もう……げん…か…い」


パタ……


「えぇ!??」


「ね?言ったでしょ?」


え?えぇぇぇぇぇ!!!!!!?

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