第16話 浜辺家の休日(2)
「姉さん、準備いい?」
「ちょっとまって〜!今靴下はいてるから!」
お昼ご飯を食べ終えてから少しして、僕達2人は外出の用意をしていた。今は僕が姉さんの準備完了を待っているところだ。
「よしっと、じゃあいこっか!」
30分後……
「いらっしゃいませ〜。2名様でいいですか?」
姉さんの明るい声が厨房まで聞こえてくる中で、僕はパフェを作っていた。
「はい、これフルーツパフェ。」
「おっけ〜。3番さんだったよね?」
僕はこくりと頷く。彼女はバイト仲間の
正直、簪さんの名前を初見で読める人はそういないと思う。
「さち〜5番のテーブルコーヒーのブラックにチョコレートパフェだって!」
「りょーかい。
「りょー」
僕と一緒に厨房で働いている真田さんは大学生らしい。ちなみに、姉さんのことが好きだということが態度から露見してしまっている。
そして、姉さんもかなり察しのいい為に真田さんの好意に気づいているらしいが、前にそのことについて聞いた時「興味無いよ〜」と言っていた。
「簪さーん。チョコレートパフェとブラックコーヒー、5番さんです」
「おっけ」
そうして働くこと4時間、ついにバイトは終了し着替え室に真田さんと入る。
「はぁ…今日も
真田さんは椅子に座るなり独り言(にしては声が大きい)を口にする。
「真田さん、そんなに好きなら告白すればいいのに…」
「出来るもんか!もし断られたらバイトの時に気まずくて仕方なくなるだろ!」
「それはそうですね……」
「さちはいいよな…。葉柚さんと一日中一緒にいられるなんて……」
「まぁ、
真田さんは心底羨ましそうに僕を見てくる。
弟のポジション、変われるものなら変わってあげたいくらいなのに……
それから約5分ほどの間、僕は真田さんの愚痴に付き合わされることになるのだった
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