第10話 下駄箱2
3年生の下駄箱での待ち伏せから1日経って、今日は2年生の下駄箱の前で流れていく男子生徒の顔を確認していきます。
「あれ?ココナッツじゃん!」
「よっす!宝田ちゃん!」
通り過ぎていく人混みの中で、何人かの人が声をかけてくれます。私はその何人かに軽く会釈をしながらも男子の顔を1人残らず確認していきます。
今日も昨日と同じで、先生に事前に確認をとって休みがいないことは分かっているここで私の知らない人がいたならその人がまだ私に告白してない人だということになります。
1時間後……
「2年生もハズレですか……」
そうなってくると、残りは1年生しかありません。
このまま1年生の下駄箱も同じように見ているのもいいのですが、昨日今日に続いて明日まで学年を変えて同じことをしていると、さすがにそれに気づく生徒もいると思いますし先生からも怪しまれるかもしれません。
(となると……
今日内に職員室に向って考えをまとめておきましょう)
そして、私が職員室に向かっていた時でした──
「わっ!」
「ひゃっ!」
職員室と、2年生の下駄箱へ向かう廊下、1年生の下駄箱へと向かう廊下、そして2階に上がるための階段で十字路になっている場所で私は校舎に上がるための階段から来た生徒にぶつかってしまいました。
「あの、大丈夫ですか?」
私は転ばせてしまった相手の方に駆け寄り手を差し伸べます。
「大丈夫です。ありがとうございます」
しかし、私の手を借りて起き上がった生徒はそれだけ言って会釈をするとそのまま1年生の下駄箱の方にさってしまいました。
──こんな時間に何をしていたのでしょうか?
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