太平洋を望む小さな港町に住む少年・駿の隣に、ある日、横浜から天使のように可愛い少女・カスミンが引っ越してきます。
いつか必ず都会へ帰ってしまう彼女に恋心を抱きながらも、駿は自分の気持ちに素直になれないまま日々を過ごしていました。
そんな中、突如として東日本大震災が発生。
過酷な避難生活を共に乗り越え、少しずつ距離が縮まった二人でしたが、ついに別れの日が訪れます。
車で去りゆく彼女から託された「一通の手紙」を軸に、不器用な少年の初恋の記憶が鮮やかに描き出されていきます。
本作の最大の魅力は、誰もが経験する「素直になれなかった初恋のもどかしさ」と、震災という圧倒的な現実を前にした少年少女の繊細な心理描写です!
都会へ帰る彼女を引き止められない駿の葛藤や、別れ際にカスミンが見せる切実な表情に、読んでいるこちらの胸までギュッと締め付けられます。
クスノキの大木やリアス式海岸といったノスタルジックで美しい情景描写も素晴らしく、物語の世界へと深く引き込まれること間違いなし。「受け取らなかった手紙」というタイトルの意味を噛み締める時、切なくも温かい余韻が心を満たしてくれます。
郷愁とピュアな恋心にどっぷりと浸りたい方に、全力でおすすめしたい珠玉の青春ドラマです!