第33話 国王陛下の執務室再び

「お邪魔しますよー」

ペン先が出来てきたんで、昼前に持ってきた。

「はい、今日からこっちね」

国王陛下が手にしていた竹ペンを、カブラペン付きのに取り換える。

ムッとしたが、何も言わない。

もう先が潰れてしまって、机の端に放置されていた竹ペンを、まとめて掴む。そのまま隣に立って、せっせとペン先をはめ込んでいく。二十本ぐらい。当分、間に合うでしょう。

「じゃ、貸してね」

返事なんか聞いてやらん。端から一束。

部屋に入って左手に小上がり。座卓?ちゃぶ台?それともテーブルを短足にしただけかな?造形が微妙過ぎて、どれに振ればいいのやら。

他に机はないので、サンダルを脱いで上がる。

墨壺、の中身は注文出して、染料屋に藍で青インクを作ってもらった。アガルー


さて。

まずは楷書で丸写し。うう、旧字体交じりのひらがなばっか辛い。

年月日は漢字か。人も漢字。数字も。

漢字まみれにする必要はないけど、思考をまとめるには適度にないとな。


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