第1863話 62枚目:前準備
イベント期間が3週間、という時点で、フリアドに慣れた
もちろん焼け石に水である可能性もあるが、少しでも減らさないとどうしようもない、という判断だろう。ただまぁ、ここまで来ている
冷気の槍を使える人もいるのだから、凍らせて氷ごと引き上げて、内陸でスキル上げの案山子として扱われてもいるようだ。……まぁ、モンスター入りの巨大な氷なのだから、そりゃ武器スキルが上がるだろうけども。
『で、装備がまだできてないのに何でお嬢に声がかかってんだ』
「私の出力に勝てる人が居ないからですね。ヴィントさんみたいに竜巻を起こしてモンスターを吸い上げるのはまた別ですけど」
『あいつはあいつでもうちょっと加減しろって言ってるんだがな……』
なおヴィントさんとは、第7番隊時代からエルルの副隊長をしてくれている人だ。私が嵐の精霊さんを貸したら、迷路を1人で吹っ飛ばした風属性の亜種、もっと言えば嵐属性の竜族さんである。フルネームはヴィントシューネ・ブリーゼさん。ベリーショートで顔に傷のある露悪的な格好いい人だが、女性である。閑話休題。
そんな感じで、イベントが始まるまでに少しでもモンスターの数を減らそうと思うなら、まぁ私にも声がかかるだろう。エルルの言う通り装備はまだ出来ていない、というか、改造が終わっていないのだが、ちゃんと杖は持ってきた。
そもそも私なら、本気で魔力を込めて詠唱したら、中級魔法でもそれなりの大きさの氷になるからな。もちろん中にモンスターが入った状態の。運搬の事を考えると、それぐらいでもいいかも知れないし。
「モンスターの群れだけでも厄介なのに、他に何かあったら大陸に辿り着けないかもしれませんからね。何とかできるところから何とかするのは基本です」
『だから素直に飛んでるんだろうが』
そうだね。エルルなら【人化】した状態で、空気の足場を作って海面の上にいた方が撃破効率いいもんね。実際サーニャがそうしてるし。モンスターが飛び出す端から倒されてるのは素直にすごいんだよな。
……それでも尽きる様子を見せないモンスターの群れ、って時点で無限湧きの可能性がそれなりに高い訳だが、まぁ、出来る事からやっていこう。私なら、海の深いところにいるモンスターも凍らせて捕まえられるかもしれないし、刺激するだけでもモンスターの密度を下げることが出来る。
今の状態だと、モンスターが津波のように沿岸部に襲い掛かってくる、っていう可能性まである訳だから、それはせめて避けたいんだよな。後方の安全確保は最優先事項だ。さて、頑張っていってみようか。
という訳で、イベント開始までの1週間をかなり全力で海のモンスター討伐にあてたからか、イベントが始まる直前ぐらいには、沿岸から見える範囲にはほとんどモンスターが居なくなっていた。
それでも襲い掛かってくるモンスターはいるので、ゼロではない。沿岸から離れれば離れる程モンスターの密度は上がるから、どこからか湧いてきているのもまぁ間違いない。
イベントスタートは日曜日だから、前日の土曜日も私は全力でモンスターの掃討に参加していたし、イベント開始日は午前中からログインできる。装備? 出撃前には貰える予定。
「……、は?」
恐らく今回も、私の仕事は領域スキルの超広域展開で戦力を底上げする事だ。装備が全部改良されているので若干行動事故が怖いが、まぁ、そこは何とか自力で対処してもらうしかない。
と思いながら目を覚まし、朝のルーチンという日常を過ごし、予定時間の前に外部掲示板を回って情報を集めていたのだが。
「南北の大陸東側海域から、モンスターがいなくなった……?」
書き込みも、それに応じる声も、ほぼ例外なく困惑の色を伴って、そんな情報が上げられていた。
は? あれだけいたモンスターが、1体残らずいなくなった?
……どういう事?
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