突然ですがコッドピース(股袋)をご存じでしょうか。
コッドピースで検索かけるとWikipediaさんがわりと上に表示されて、中に入るとヘンリー八世の肖像画にてコッドピースが何ぞやが確認できます。
今の時代やってたら、確実に警察さんが公然わいせつ罪とかでしょっ引かれます。たぶん。
本作はかつてやっていたらしい”自主企画《コッドピース(股袋)をネタにした歴史小説》”のために書き下ろされたらしいのですが……この企画、皆でこのコッドピースを並々ならぬ情熱をもって描写していたのでしょうか。本作、このコッドピースが主役なんじゃないかというくらい、コッドピースについてとっても細かく説明されているんです。ガチな歴史ものの小説・漫画でもそんなところ説明しないよwってなります。
このあたりでコッドピースの話を止めます。
先ほどまでの説明だと、コッドピースを扱ったコメディなのかな、と勘違いが生じてしまうので。
本作を読むと、出だしは『西洋版とりかえばや』を、家政婦長アン=マリー・クールなる人物目線でつづったものなのかなとなります。
またしてもご存じですか、話になるのですが。『とりかえばや物語』は平安時代後期に成立した作者不詳の物語です。姫君と若君を入れ替えてバタバタ、というお話なのですが、これがもとで現代の漫画の入れ替えものがあるのですから、日本人の想像力……妄想力の逞しさと言ったら。話が逸れたので戻します。
とにかく、この『とりかえばや物語』を西洋風にして、コッドピースについて情熱ある文章をしたためたのかな、とおそらく誰もが思います。
『西洋版とりかえばや』やに登場するのは、男爵家の双子の姉弟の子どもたち。その双子の姉弟を見つめる家政婦長アン=マリー・クールなる人物目線で西洋版とりかえばは語られます。そして肝心のコッドピースは、高貴なお家のご子息の服とご子息からのプレゼントで登場します。本当に、いやいや、そこまで語るかいwというくらい熱意をもってコッドピースについて語られています。それをお上品な家政婦長の口調で語られているのでコミカルに見えます。
さて。『西洋版とりかえばや』についての話だけで終われないのでこの辺りで――本作は単なる『西洋版とりかえばや』ではないのです。
衝撃は二度来ます。
一度目は「えええええ、おい、なんかえっぐいことになってるぞ!?」という衝撃。
二度目は「おお、そういうオチか」という衝撃。
ネタバレ避けて説明すると何も伝わりませんね。ですがだからといって説明はしません。ここで説明したら、何人かは満足して立ち去ってしまうでしょうから。
お勧めです。未読の方はぜひ、二度の衝撃とともに単なる『西洋版とりかえばや』ではないことを確かめてみてください。コッドピースについての知識も付きます。