第19話 グループ分けと変態と

瑞穂達のクラスは1-S組。通称【Sクラス】

成績優秀者を集めた所謂特進クラスってやつだ。

当然の如く蓮華ちゃんをはじめとした瑞穂の幼馴染達も一緒である。フフン


自己紹介や教科書の配布は終わった。

正直、今現在で特筆すべき人物は居ない。入学式で見た生徒会長のインパクトが強すぎて、初対面のクラスメイト達が皆平凡に見えてしまうのだ。

味が濃いものを食べた後で薄味を食べても味が解らなくなる現象と一緒だと思う。


「それでは先生は職員室に戻るので親睦を深めたいなら、3時までは教室を使っても良いですよ。」


そう言って教室を後にする担任教師、鈴原すずはら みやび先生。

おっとり系のタレ目美女で巨乳。身長は155センチってところかな。

年は28歳、独身。独身である。

雅先生の自己紹介で独身を強調された。

「成人しているお兄さんが居る人は先生に紹介してくださいね~」とにこやかに目が笑ってなかった。アラサーだから焦っているのだろうか?十分若くて綺麗なんだけどな。

瑞穂は精神年齢三十路なので、雅先生は普通にストライクゾーンだったりする。

別に百合とかではない。普通に男子にも興味があったりする。

正直どっちも行ける気がする。まだ誰とも付き合ったことが無いので気のせいかもしれないけどね!


全員が教室に残ったので、各々グループに分かれて話しはじめる。

大体が同じ中学だった同士だ。中には似た感じの者同士がマンガの話をしている。

瑞穂の周りには当然、幼馴染組が集まる。


「瑞穂、今日帰りどっか遊び行くか?」

「瑞穂ちゃん、今日のお茶会来てくれるわよね?」

「ミズホ!レンゲとティー☆ターイム!するニョ!」

「私もお茶会お呼ばれしてます~」

「そうだな。」


俊介・蓮華・ローザ・菜々美・健人 の順で話してくる。敬称略


「お、俺もそのお茶会行くぞ!」


「あら?俊介は用事があるから不参加だと言っていたわよね?」


「い、いや・・・瑞穂とデーtゲフンゲフン!・・・予定が急に無くなったんだぜ!」


なんだ、俊介くんは瑞穂とデートしたかったのか。

しかし他の親友の誘いを断ってまでは行けないな。


「みんなが参加するみたいだから蓮華ちゃんのお茶会に参加するよ。俊介くんとのデートは、まぁ後日予定が合えば行ってもいいよ。」


「よっしゃ!」


喜ぶ俊介くんと、逆に不機嫌になる他の皆。


「蓮華ちゃんたちも、瑞穂の予定が空いていればデートくらい行くよ?」


そう言うと皆の機嫌が直った。どうやら幼馴染組は皆、瑞穂の事が好きなようなのだ。


得に蓮華ちゃんとローザはガチだ。

蓮華ちゃんは「金と権力を使ってでも瑞穂ちゃんをヨメにする」とか言うし。

ローザちゃんは「帰国するときには必ずミズホを連れて行くニョ!そしてそのままゴールインなニョ!」とか言うのだ。

この二人はお互いをライバルだと認め合っている。


そんな感じでいつもどおりの身内だけのトークをしていると、知らない(自己紹介はしている)生徒が近寄ってきた。幼馴染組は警戒をしている。


「ど、ど、どうも!拙者、綾小路あやのこうじ風太ふうただブヒ!み、みみみ、瑞穂ちゃんと、お、お、お友達になりたいブヒィ!はぁはぁ・・・幼女最高ブヒ!!」


やべぇのが来た。皆そう思っただろう。教室がシーンとした。


ていうかお前、自己紹介の時は「僕は~」とか普通に言ってただろ!急にキャラつけんな!びっくりするだろ!あとキモい!


「ロリコンですわ・・・」同い年ですが?


「ロリコンなニョ・・・」ローザちゃん、ロリコンって知ってるの?


「はぁはぁ・・・瑞穂タンは合法ロリブヒィ!つまり付き合えるロリなのブヒ!」


まだ言ってるよこのロ・・・変態が。


「ちょっとツラ貸せデブ。」


「僕らと其処でオハナシしようね綾小路くん。」


黒いオーラを出しながら俊介くんと健人くんが変態のクビに腕を回し、ガッチリ逃げられないようにして教室から連れ出した。


・・・・・・うん、お茶会しに蓮華ちゃん家に行こうか。俊介くんと健人くんは後から追いかけて来るでしょ。

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