第18話 リバーランド③
<森田 由紀視点>
今日は和君とデート。
しかも地元民に大人気のデートスポットであるリバーランドだ。
色々と嬉しすぎで昨日はあんまり眠れなかった。
早起きして作ったお弁当。和君は美味しいって言ってくれるかな。
それにイルミネーションも凄く楽しみなんだよね。
駅前での待ち合わせ。
何だかデート感満載でちょっとドキドキする。
そんなドキドキも手伝ってか家に居ても落ち着かないので、1時間近く前に駅前に来ちゃった。
流石に早すぎたので、ベンチに座ってスマホを弄ってたら30分前に和君がやってきた。和君も落ち着かなくて来ちゃったらしい。
そんなに楽しみにしてくれてたんだと思うと凄く嬉しくなった。
何だか2人して笑っちゃった。
それに和君はさり気なく私と手を繋いでくれた。
一緒に出掛けたことはあったけど、手を繋いだりってほとんどなかったと思う。
早く着いたので当然まだリバーランドは開園してない。
だから近くの公園を2人で散歩した。
ただ、一緒に歩いてるだけだけど何だか幸せな気分になれた。
そして開園後。園内に入ってからは、リバーランド1押しの森のジェットコースターに乗った。実はジェットコースターは苦手だったりもしたんだけど1押しということで和君に楽しんでもらいたかった。
コースターに乗ると怖くて少し震えたけど和君の手を握ってたら段々気持ちが落ち着いてきた。
その後はゴーカートに乗って和君と競争した。
最初の方は色々係員さんや和君に迷惑かけたけど、後半は結構早く走れる様になってたと思う・・・多分。
ゴーカートは初だったけど凄く楽しかったな。
そして、芝生に移動していよいよランチタイム。
私のお弁当喜んでくれるかな。
「うん。美味しいよ。味付けも俺好みだ」
私のお弁当美味しいって言ってくれた!
それに惚れ直しちゃったんじゃないって聞いたら"そうかもな"だって。
でも・・・告白はもう少し待ってって言われた。
そうだよね・・・・そんなすぐに彼女になれたりしないよね。
でも、和君は私の事を前と違った関係になれる様に考えてはくれてるみたいだ。
それだけでも嬉しいかな。
ちょっと湿っぽい感じになっちゃったけど、申し訳なさそうにしている和君に私は明るく言った。
「もう 謝らないでよ。今日は2人で楽しむんでしょ!
さ 沢山作ってきたから食べて!」
食事の後も2人で様々なアトラクションを楽しんだ。
レトロゲームがたくさんあるゲームセンターで対戦ゲームをしたり、プリ○ラ撮ったり、緑地にある池でボートに乗ったり・・・
うん。普通にデートだよねこれ。
和君の告白はまだお預けみたいだけど、今の私にはこれだけでも充分。
そして17:00。
日も暮れて暗くなってきた園内にはLEDによる煌びやかなイルミネーションが灯った。枯葉が多くなっていた木々に緑のLEDが灯り、花壇や芝生には色鮮やかな花をイメージしたLEDが灯り幻想的な風景を創りだしている。
「わぁ綺麗 和君あっち行ってみよ」
「ああ」
和君の手を引いて園内を散策する。
昼間も散々見て回ったはずの園内だけど、まったく違った風景に見える。
気のせいか、周りもカップルが増えたように思える。
「ねぇ和君。最後に観覧車乗ろうよ」
「そうだな。上から見るイルミネーションも綺麗だろうしな」
私と和君は手を繋いで歩いていたけど、周りのカップルの真似をして腕に抱き付いてみた。和君最初は驚いてたみたいだけど優しく笑いかけてくれた。
皆考えることは同じなのか、観覧車は長い行列が出来ていたけど何とか閉園までには乗ることが出来た。
2人乗りの小さなゴンドラに乗り込む。
ゴンドラ内は当然のことながら2人きりだ。
「和君」
「ん?」
「今日は誘ってくれてありがとね。凄く楽しかった」
「俺もだよ。遊園地とか久々だったし、由紀とだからか変に気を張らずに楽しめたかな。
でも・・・ごめんな本当は告白しようかとも思ってたんだけど。まだ決心がつかなくて」
「気にしなくていいよ。
和君が前以上の関係を意識してくれているってわかっただけでも嬉しかったよ」
「ありがとう・・・ 正直不安なんだ。前と同じような関係で付き合い始めてまたあの時みたいなことにならないか。もちろん。俺たちの気持ちがしっかりしてれば問題無いわけなんだけど」
「うん。慌てなくていいよ。それに私が和君を不安にさせちゃったんだもん。
今は好きって言ってくれただけでも嬉しかったし和君の気持ちの整理がつくまで・・・私は大丈夫だよ」
観覧車を降りて手を繋ぎながら出口へと向かう。
今日のデートもあと少しで終わりだ。
正直な気持ちを言うとやっぱりちょっと寂しかった。
素敵なイルミネーションの中、周りは手を繋いだり腕を組んだカップルばっかり。私も和君と手は繋いでいるけど、まだ恋人同士ではないんだよね。
今はまだ"ただの友達"だ。
でも・・・このまま恋人になれないわけじゃないんだよね。
和君が私との事を真剣に考えてくれるなら、私は和君が振り向いて告白したくなるくらいの素敵な女性になるんだって決めたんだよね。
だから、今はまだ私の努力不足。
和君任せじゃなくて私も自分磨き頑張らなくちゃ。
そして・・・もし本当の恋人同士になれたらまた来たいな。
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