第16話 ドラゴンと戦うぅッ?! なんとかクエストじゃねーんだぁぁツ、バカ言うなぁぁッ~!?

「着いたよ!」



「ふぅ、色々、合ったけど、何とか、無事に戻れたな!」



どこでも魔法陣が、ゆーまの部屋に浮かび上がり、二人は、部屋に浮いた状態で現れ、ポンとベッドに仁王立ちになった。



人間から、元の姿になり、頓狂(とんきょう)な顔をし、不思議そうな顔で、見詰める妖精と宮廷魔法画家がいた。



「婿殿、帰ったのか!」



「あぁ、ラクリ、それにピット、帰ってたんだな!」



「帰ってたんじゃないわい! こっちはユニ様が学校にいたのに、いなくなったから、必死で探していたのじゃ!」



パシコン!



「あぅ! 小型スリッパで叩くなぁぁッ!」



ラクリのきつい一発が、クリーンヒットし、華麗に、ゆーまに飛ぶ!



「まぁまぁ、ラクリ、ゴメン、あたしがいけないの。勝手にどこでも魔法陣で、お風呂に行ってたから」



「何と、ユニ姫様、風呂に行ってたダスか?」



ピットが、顔色を変え、驚いた声を出す。



「そうそう、大変だったんだよ、もう少しで、警察に捕まるところだったんだゼ!」



「そうだよ、じゃーん、こんなとこ!」



「って、おい、女風呂日記、出すなぁっぁあッ!」



可愛い声で、悪意がなかったように、ユニが、素直な感じで、女風呂が写ったゆーま秘蔵のエロ本を引っ張り出して、恥ずかしげもないかのような可愛い笑顔で、皆に開いて見せた。



ゆーまだけが、恥ずかしそうに、バタバタ手を動かし苦悶声を上げていた。



「ま、まさか、婿殿もう、姫様の裸を見たのかじゃ?」



「見てねぇッ。て、オレは、何もしてネーっての」



「見てもいいよ」



「何いってんの、ユニ! 見えねぇ」



「当たり前じゃ!」



パシコン!



「いてぇ、何スンだ」



ラクリが、ゆーまに激昂した。可也きつい、スリッパの平手打ちが飛ぶ。顔から火が出たように、ゆーま

は、叩かれたところを押さえ、痛そうな顔つきをする。


「一国の姫様の裸を見ようとは何様じゃ! 姫様を単独で危険に晒(さら)すとはッ!」



「だ、だーから、見てねぇって、言ってんだろ、ラクリ」



「まぁまぁ、ラクリ、怒らないで。ユニが、デッカイお風呂に入りたくて、ゆーまが、好きな雑誌みていったの」



ユニが、割って入り、ラクリに制止をかける。まぁ、仕方ないと、少し顔を濁し、ラクリは懸念した面持ちで言った。



「姫様、ですが、異次元穴(ディメンション・ホール)で、姫様を狙う輩(やから)がもし、魔法の国から来ていれば?」



「ね、狙う輩って、何? ま、まさか、RPGゲームみたいにモンスターが出るとかいうなよな」

咄嗟(とっさ)の発言に、頓狂(とんきょう)な顔をゆーまはする。ユニはえへへだった。



「そうとも限らないぞじゃ。魔法の国には、ドラゴンなどのモンスターも存在する。姫様の地位を狙う輩もいるということじゃ! だからじゃ、わしらは、戦闘系ではないのじゃ、護衛はユニ姫様のお父上ルネディ様に、この魔法アイテム『マジカルボイススルー』で戦闘系のものを直(じか)に申請しておいた。近々、早急に来るであろう」



後ろにあった蓄音機のような形の魔法アイテム、マジカルボイススルーをラクリは指差し、真剣な顔でいう。しかし、驚きの色を、ゆーまは隠せなかった。



「よ、良かったぁ。ドラゴンなんて出てきたらいくらなんでも倒せネーもんな」



胸を撫で下ろし、ゆーまはいう。



「方法はあるダスよ」



「ん、ピット、方法ってまさか?」



「そう、身体(からだ)を、張るの。白馬の王子様は身体(からだ)を張ってユニを守ってくれるの♡」


合掌し、キラキラ目を輝かせ、夢見た少女のように可愛くユニはコミカルに言った。



「ま、待てぞな! また、話しがややこしくなってる」



「ドラゴンが出てきても婿殿、倒すのじゃ!」



「って、おい、何とかクエストじゃねーンダ! 馬鹿、言うなぁッ!」



その時だった。唐突に部屋のドアを開けて誰か入ってきた。



「あら、大きな声を出してどうしたの、ゆーま?」



「あ、母さん? いつ帰ってきたの?」



「つい、さっきよ。イラストの仕事が済んだの。アメリカのスタジオから帰ってきたところよ」



一同が頓狂(とんきょう)な顔をし、一瞬、動揺し、口先が止まる。ゆーまの母さんは、胸も大きく女優の

ようにスタイル抜群で、金髪で、腰まで掛かる超ロングヘアの美人だった。格好も今風のファッショナブルな服装をしていた。



「ゆーまのお母さん?」



「あら、ゆーま、いつの間にこんな可愛いガールフレンドが出来たの? 漫才が、成功するまでは、作らないって、あれだけ言ってたのに」



ゆーまの母さんが、微笑んで、ゆーまの方を向き問いかけた。ゆーまは、恥ずかしそうな顔をする。



「初めまして、お母様。 ゆーまの許婚(いいなずけ)の、魔法の国テスタから来た、ユニで~すぅ。よろしくお願いしま~す。こっちは、妖精大臣でユニの世話役のラクリ。こっちは、ユニ専属の宮廷魔法画家のピットです」



ユニが、可愛く元気な声で、指を指しながら、笑顔で返した。



「宜しくじゃ」「よろしくダス」



ラクリとピットが、殆(ほとん)ど同時に愛想よく、お辞儀をしいう。



すると、チンプンカンプンな顔で、ゆーまの母さんは、首を傾げた。魔法使いのカッコと、羽の生えたフィギュアをみて。



「許婚(いいなずけ)? 妖精? 魔法画家?」



「か、母さん! まともに考えないで。結構、複雑だから」



ゆーまが、手をジタバタさせ、慌てていう。



「まぁ、いいじゃない。こんな気立てのいい可愛い子が、お嫁さんに来てくれたら、ゆーま万万歳じゃない!」



「で、いつ結婚するの?」



「って、母さん、何で、そうなるの!」



ゆーまが頓狂(とんきょう)な顔をする。驚きの色があんまりないようだ。包容力が、あるというのか。



「ユニの国に来てくれたら、結婚します! それまでは、この家に三人、居候させてもらいまーす」



「姫様!」



えへへと、ユニが、手を挙げていうと、ラクリが直(す)ぐ様、注意を促す。



「あらあら、何だか賑(にぎ)やかになったわね。いいわよ、部屋も沢山空いてるし。ゆーま、未来のお嫁さんね」



「母さん!」



ゆーまは、困り果てた顔をしながらいった。ゆーまの母さんは超ご機嫌だった。



「お母様、お仕事は、何をなさっているのですか?」



「イラストレーターよ。ペンネームは、AYAKAっていうのよ。ゲームのキャラクターデザインをやってるの」



「へぇ、そうなの。じゃ、ピットと同じような仕事だね」



「(ちょっと、違う気がするが……)」



ゆーまは、ジト目で見遣った。ユニもレディ風の口調に変身していた。おっとりとした、可愛い声で言う。



「そうね、じゃぁ、私が、キャラクターデザインした、ゲームでもしてみる?」



「ゲーム? ゆーま、何それ?」



ユニが、指を口に咥(くわ)え、一瞬、頓狂(とんきょう)な顔をする。



「(あっそうか。ユニ、こっちの国のこと知らないんだったな)ユニ、簡単に言うとね、画面の中で剣や魔法で戦ったりすること。そういう戦っている人をこのコントローラーっていう機械で操るんだよ」



ゲーム機とソフトを指差し、簡単に優しい口調で説明する。



「へぇ、ユニの国の魔法試合に似てるね。要するに、魔法試合の試合人を自分が戦わずにその魔法アイテムみたいな機械で動かすのね」



ユニの回転力の速さには、ビックりだ。呑み込みが早い。



「(ま、魔法試合? ユニの国だと本物のバトルのこと?)まぁ、ちょっと理屈が違う気がするけど、そんな感じ」



「まぁ、こんな感じでするんだよ!」



ゆーまが、ピコピコとゲームのコントローラのボタンを押し、ゲームをプレイしてみた。



それを見たユニの瞳が、ぱぁっと、嬉しそうに輝いた。



「きゃ、面白そう~。ゆーまぁ、あたしもやりたい~!」



ユニは、明るい笑顔でいい、愛想を振り撒(ま)いた。ゆーまは隣で、いいよという面持ちで頷(うなず)いた。

































☆☆


おはようございます。

何回も見てくださっている読者さまには感謝です

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またおあいしましょう。

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また更新します。

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