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キャサの事務仕事も終わり、キャサのストレス発散の付き合いで結局ステラマリスへ行く事になった。
キャサは若さをひがむ…新しい女王様の文句を言う。
私はキャサの横顔を眺めた…昔は周りを魅力した切れ長な目には目尻のシワが。
化粧でも隠せない深いシワ。
キャサは今年で50歳になる…私も今年で30歳になる。
早い…あっという間の10年。
それでも後悔はしていない…私は私らしく生き抜いた。
キャサはキャサらしい50年を生きた…はず。
ステマリ…ステラマリスの愛称。
呼びやすさは親しみが湧き、来る人々の心にそっとだか、ずっと住み着く。
ステマリの戸を開ける。
何回も読んだお気に入りの本に挟んだシオリでページを開く感覚。
変わらない空間…変わらない登場人物。
だが本の世界ではない…結末も分からなければ、誰もが年もとる。
私とキャサはボックスには座らずカウンターに座る。
軽い乾杯と適当な会話中にトオルがキャサの隣に座る。
改めて乾杯。
何気ない日常会話から年齢の話に移る。
私は聞いた…[トオルは何歳になるの?]
トオルは茶目っ気な目をして
[27歳]
[あら、27歳は私よ]
キャサが言った。
笑いながらトオルが答えた。
[今年41歳だ]
[ユダは?]
私の問いにトオルは
[ユダは俺の1つ年上]
つまりユダは42歳。
2人とも40代にはとても見えない。
ミクママは30代半ばだろうか?
確か、キャサが50歳を迎えるはず。
私は30歳になる。若くないわ…ぼやいた。
トオルが言った…[若くないと認めた時点で老いなんだ]
[たとえ20歳だろうが]
トオルはそう付け加えて笑った。
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