求め合う2人が記す随筆を読んでいる感覚になります
- ★★★ Excellent!!!
今年になってからドハマリし、やっと最新話に追いつきました。
家庭環境のせいで精神的に欠けてしまった部分を2人で補いあうというありがちなテーマですが、膨大な情報量と丁寧な心理描写によって、相互に視点を変えながら描かれる物語を読んでいると、現実に存在する宮城志緒理と仙台葉月という人物が月に数回更新されるエッセイを通して2人の人生を読み解いているように思えて、もっとこの2人を知りたいと思うになりました。
お互いを好きになった根拠が高校編から大学編にかけてしっかり2人だけの描写で示されているので感情移入してしまいます。
日常の小さな幸せをかき集めながら、未来を模索する様子はリアリティがあり、読めば読むほど本当にどこかの街にこの2人が存在せるように感じます。このあと、就職という大きな試練がありますが、どういった選択がとられるのでしょうか?学生恋愛から一生を共に過ごすにはかなりのハードルがあると思いますが(同性だとなおさらに難しいのでは?)、2人が成長しながらどう乗り越えていくのか楽しみです。
最後に、暴力的なコミュニケーションが多々あるのが気になるという方がいますが、むしろこの作品の魅力だと思います(当然好みは分かれますよね・・・)。物理的に傷つけ合う描写に2人の心情がよく表現されています。