第23話

「きびしくしてやれ。魁斗と同じでどんなきびしい修行にも耐えることだろう。生まれ持った才も充分にあるようだし」


「期待の新人が二人いっぺんに現れたな」


「そういうことだ。よろしく頼む」


「まかせてくれ」


私は紫苑のところに歩み寄り、言った。


「がんばってくれ。期待しているぞ」


紫苑が言った。


「あたりまえよ。あたいを誰だと思ってんの」



青柳から連絡があったのは、紫苑に会ってから二ヶ月がすぎたころだった。


「もう教えることはない。これから武器の修行に入る」


最初からある程度使えていたとはいえ、二ヶ月ちょっとで気の修行を終えるなんて驚異的なことだ。


私は恐ろしさを感じたほどだ。



私は青柳のところに顔を出した。


神社に着くと、二人が待っていた。


「もう終わりか」


「そうだ。常人には耐えられない修行にも耐えたし、天分も申し分ない。あとは日々の積み重ねだけだ」

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