第9話 協力者



 もうこんなところにはいられない。


 そういうわけで脱走することにした。


 念入りに準備を重ねて、見張りの行動パターンとか、施設内の区画も覚えた。


 あとはどうやってなずなを拾っていくかだよな。


 僕は、それとなく連中になずなの近況を訪ねた。


 でも、やつら道具とお話する口はもってませーん。


 ……みたいな態度でひとっことも口をきいてくれない。


 どうしても最後の部分の計画が進まなかった。

 途方にくれるしかなかった。


 けれど、こんな地獄みたいな所にも変わり者がいたみたいだ。


「なずなさんなら無事ですよ」


 ルギー・ベルネスとかいう奴が僕に話しかけてきた。

 そういえばいたな。そんなやつ。

 ここに来たばかりの頃、よく話しかけてきた奴。


 ひっそりと小声で、周囲に分からないくらいの声量で話しかけてくるそいつの顔には見覚えがあった。


 人と話したのなんて久しぶりだ。


「無事? 本当に?」

「ええ、兵舎3号棟の第四区画の409号室にいます」


 一般兵の有象無象の山に隠れて。隔離してるってわけね。

 特別な境遇だからこそ、の盲点ってわけか。


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